
骨に必要な栄養素はカルシウムだけではダメ
骨を強くするために必要な栄養素といえばすぐに思い浮かぶのがカルシウム。
でも、それだけではダメなのです。
骨づくりに欠かせない栄養素を知って、良い食習慣をつくりましょう。
まずは積極的にカルシウムを
歯や骨の材料となるのがみなさんご存じのカルシウム。
カルシウムは不足すると骨などから補てんしようと働くために、歯や骨が弱くなってしまうといわれています。
歯や骨のためにもカルシウムの多い食品をたっぷり食べて体に貯蔵しておきたいところですが、残念ながら「カルシウムのとり溜め」はできません。
カルシウムは一度にたくさんとったところで、必要のない分は排泄されてしまうそうです。
カルシウムが多く含まれるのは、チーズや牛乳、骨ごと食べられる小魚、小松菜などの野菜類、豆腐や納豆などの大豆製品、海藻など。
こうした食品を毎日食事にとりいれることが大切です。
カルシウムの吸収をサポートするビタミンD
ただ、カルシウムの厄介なところは、体内の吸収率が悪いことです。
カルシウムだけをとっていても、効率よくカルシウムをとりこむことができません。
そこで大切なのがカルシウムの吸収を促進させる働きのあるビタミンDをとることです。
ビタミンDは、魚類やキノコ類に多く含まれますが、さらに効果的にビタミンDを取り込むには日光を浴びることです。
日光を浴びることでビタミンDが生成
日光を浴びて肌からつくり出されるビタミンDは、食べ物から得られるビタミンDより多いことが知られています。
女性にとって紫外線はお肌の大敵ですが、かといって極端に紫外線を避けた生活を送っていると、ビタミンD不足になりがちなので気を付けて。
ビタミンDは骨の健康だけでなく免疫力の向上やアレルギー症状を改善する作用もあるので、適度にとり入れたいものです。
紫外線は季節や時刻、地域等多くの要因に左右されるので、どのくらい浴びればよいのか一概には言えないようですが、夏なら屋外で15分~30分程度過ごすとよいといわれています。
骨を強くするビタミンK
ビタミンDとともに、丈夫な骨づくりに不可欠なのがビタミンKです。
ビタミンKにはカルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があるといいます。
ビタミンKは、ブロッコリーや小松菜、ホウレンソウ、納豆やワカメなどの海藻類に多く含まれています。
骨質にも注目を
もう1つ。骨を強くするためには、骨密度だけでなく「骨質」も大切だといわれています。
その骨質を強化するのがコラーゲン。骨を建物に例えると、カルシウムはコンクリートの役割をしていて、コラーゲンは建物の鉄筋部分にあたるそうです。
そのコラーゲンの再合成をサポートするのがビタミンCなのだそうです。
ほかにも、たんぱく質やマグネシウム、イソフラボン、ビタミンB6、B12、葉酸なども骨の健康のためにとりたい栄養素だといわれています。
骨を丈夫にするには、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの3大栄養素を中心に、いろいろな食材をバランスよくとることを心がけたいですね。
<参考>
※「暮らすめいと」(2024年5月号 187号 東京新聞)
※「骨粗鬆症の食事」(健康長寿ネット 長寿科学振興財団)
※「骨粗鬆症における栄養」(骨粗鬆症財団)
※「大切な栄養素カルシウム」(農林水産省)
※「紫外線環境保健マニュアル2020年」(環境省)