がんの最大のリスクは喫煙?
多くの研究からがんは生活習慣と関わりが深いことがわかってきたそうです。
今や国民病ともいわれているがん。
今回はがんと喫煙について考えてみました。
がんと深い関わりをもつのが喫煙
がんの話をするとき「うちはがん家系だから」という言葉を耳にすることがあります。
でも実は遺伝によるがんは全体の5%程度にすぎないそうです。
多くの場合、がんは生活習慣と密接な関係があることが知られてきました。
タバコは多くのがんのリスクを上げる
食事や栄養、運動などさまざまな生活習慣ががんのリスクとしてあげられていますが、がんの原因となることが科学的にあきらかにされているのが喫煙だそうです。
以前のコラムでお話しましたが、具体的には「鼻腔・副鼻腔がん」「口腔、咽頭がん」「喉頭がん」「食道がん」「肺がん」「肝臓がん」「胃がん」「膵臓がん」「膀胱がん」「子宮頸がん」などにおいて「喫煙とがんの因果関係」が科学的にあきらかになっているといわれています。
肺がんとタバコ
とくに肺がんのリスクは高く、タバコを吸う男性は、吸わない男性と比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍、女性の場合は4.2倍も高くなっているといわれています。
さらに、タバコを吸う年数が高いほど、またタバコの本数が多いほど肺がんになりやすいこともわかっています。
ふだんから食事に気をつけたり運動をしていても、タバコを吸うだけで、がんやその他の病気を呼び寄せて、寿命も縮めているのです。
いつ禁煙をはじめても遅すぎることはない
喫煙者の中には「今さらタバコをやめても無意味だ」という人もいます。
けれども、いつ始めても禁煙をするメリットは大きいことが知られています。
たとえば、禁煙後1年たつと肺機能が改善し、禁煙数年後には突然死を招く虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクが3分の1まで減少。
さらに禁煙を続けていけば、がんを含むさまざまな病気にかかる危険が非喫煙者のレベルまで近づくことがわかっているそうです。
反対にたとえば肺がんになってもタバコを吸い続けていれば、肺がんの再発や転移とは別に、二次がん(新たに発生するがん)の原因となることがあきらかになっているそうなのです。
何歳になっても、そして病気になったとしても、禁煙をするメリットは大きいのです。
思いたったときがタバコの「やめどき」
平成28年度の「国民健康・栄養調査」をみると、現在習慣的に喫煙している人のうち、約3割の人がタバコをやめたいと思っていました。
「そろそろ禁煙しようかな」と思ったときが「タバコのやめどき」です。
意思の力でがんばってやめる禁煙から、今は医師による禁煙サポートと禁煙補助薬で無理なく禁煙を行えるようになりました。
先行きが不透明な時代。どんなふうに働くか、いつまで働くか――将来設計は人それぞれですが、土台にあるのが健康です。
思い切って禁煙に挑戦して、あなたの人生を変えてみませんか?
<参考URL>
*「たばことがん もっと詳しく知りたい方へ」(国立がん研究センター がん情報サービス)
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/smoking/tobacco02.html
*「たばこ」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b4.html
*平成28年度「国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)
*e-ヘルスネット「禁煙の効果」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-08-001.html
*}「がん」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b9.html