【骨活しよう!】宇宙飛行で骨がもろくなる!?
骨粗鬆症といえば高齢者のイメージがありますが。実は宇宙飛行士も骨粗鬆症と無縁ではないようです。
なぜでしょう?
宇宙飛行士は「健康」であることが要求される
宇宙飛行士になるためには、さまざまな条件を満たさなければなりませんが、健康状態も選抜試験の条件の1つ。
視力や聴力、歯や鼻の状態まで健康であることが求められます。
宇宙飛行士は健康そのものに見えますが、彼らが宇宙に長期滞在していると老人のように急激に骨量が減少したり、筋肉が萎縮したりしてしまうことをご存じでしょうか?
宇宙滞在で骨と筋肉が老化する?
そのカギを握るのが重力だといわれています。
そもそも骨は運動によって骨に負荷がかかると摂取したカルシウムが沈着しやすくなり、骨密度を高めることが知られています。
ところが体にほとんど重力がかからない宇宙では、体を支えようとする骨にほとんど負担がかかりません。
そのため宇宙に長く滞在していると骨からカルシウムが放出されてしまうのです。
その結果、骨粗鬆症患者の約10倍の速さで骨量が減少してしまうこといわれています。
帰還した宇宙飛行士がスタッフに抱きかかえられる映像をご覧になっている方も多いでしょう。
地球に帰還した直後の宇宙飛行士は、高齢者と同じように筋肉も骨量も低下した状態になっているのです。
そのため宇宙飛行士は打ち上げ前から飛行中にもトレーニングを行って、帰還後もリハビリを行う必要があるといいます。
骨には刺激が必要。身近な骨トレを
宇宙飛行士の例は極端かもしれませんが、骨の健康を保つためには、適度な運動が必要なのです。
ひと口に運動といってもいろいろな種類がありますが、骨トレーニングに理想的なのが、骨に荷重や衝撃を加える運動だといわれています。
つまり、水泳やサイクリングよりも、骨に荷重をかける速歩や片足立ち、スクワット運動
など。また衝撃を加える運動としては、ジャンプやジョギング、ダンスなどがあります。
ハードなトレーンングはちょっと……という人は、つま先立ちをしてかかとを落とす「かかと落とし」や「ウォーキング」などを始めてはいかがでしょうか。
軽い運動でも、骨をつくる骨芽細胞は活性化するといわれています。
また骨に適度な負荷がかかることで、骨の主な成分であるカルシウムの沈着も促されるそうですよ。
<参考>
※「健康管理と病気の予防に役立つ宇宙医学」【宇宙航空研究開発機構(JAXA)】
※「骨粗鬆症」(e-ヘルスネット 厚生労働省)
※「骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を」(e-ヘルスネット 厚生労働省)