悩める中年期のクライシスとは?
「ミッドライフ・クライシス」といわれているのだとか。中年にさしかかる頃になると多くの人が直面するらしい、このいわゆる「中年期の危機」とは、どういったものなのでしょう?
中年期に訪れる「心の危機」 「ミドルエイジ・クライシス」とか「第二の思春期」ともいうらしいです。
文字通り「中年の時期の危機」というわけですが、中年の入り口の30歳代後半から特に40~50歳代、さらには60歳代の頃におちいりやすい心の不安をあらわす言葉として使われているようです。
中年期は人生の折り返しに差しかかる時期。自分の人生はこのままでいいのかとか、これからどう生きて行くのかいった漠然とした不安感や焦燥感、危機感におそわれるといわれています。
性別に関係なく中年期の男女の8割が、この心理的危機におちいるとよくいわれています。
また、ある調査では40~60歳代以上の約半数の人が、毎日の生活で「虚無感」におそわれたり、4割以上の人が、これからの人生に「焦燥感」を覚えたりしているようです(テレ東プラス「40~60代アンケートで浮かんだ実態」より)。
心身や環境の変化が背後に?
「ミッドライフ・クライシス」による心身の不調の原因は何でしょう。
様々いわれていますが、例えば健康問題。人生の半ばを過ぎれば、若い頃と比べて体力の衰えを嫌でも自覚させられるものです。病気を患えれば、自分に残された時間を意識するようにもなるでしょう。
中年期はホルモンバランスも乱れ始める時期。更年期といわれる頃でもあり、眠れないなど睡眠の質が落ちるといいます。
仕事を続けていくのか、転職するのかの葛藤もあるようです。
また、親の介護問題に悩んだり、子どもの自立によって「空の巣症候群」におちいったり、また、独身の場合だったら、わが身の将来に不安を感じたりといったこともあるでしょう。
内閣府の調べでは「ミッドライフ・クライシス」の該当年齢に当たる、まさに40~64歳代の40.7%が「気分が沈み、気が晴れないことが多くなり、困っている」と答えています。
どう付き合う?「中年期の危機」
「ミッドライフ・クライシス」にはどう対応すればいいのでしょう。
専門家が指摘するのは、「健康管理」と「適度な運動」だそうです。
例えばウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質のセロトニンやエンドルフィンの分泌を促します。ストレスが和らぎ、幸福感や高揚感が得られるといわれています。
「がんばりすぎない」「深刻に考えすぎない」ことも大切だそうです。
あまり思い詰めると危険とも指摘されています。突然、離職したり、リスキーな投資に走ったりなど、無計画な行動は要注意だそうです。
また、自分の人生に大切なものは何か、これから何をやりたいかなどを整理、リスト化するのも効果的だそうです。
無理を感じたら精神科や心療内科を受診する選択肢もあります。
誰にでも起こり得る中年の危機。うまく乗り切りたいですね。
<参考>
*「中高年のメンタル不調に注意!8割が経験『ミッドライフ・クライシス』って?要因と対策」(テレ朝news)
*「『毎日楽しくない』、中年期に直面する『ミッドライフ・クライシス』」(テレ東プラス)
*「中年期に陥る『しんどい』には理由があった」(ダイヤモンド・オンライン)
*「満足度・生活の質に関する調査報告書2021(概要)」(内閣府)