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お酒は「酔う」から「楽しむ」に変わった?

健康志向の高まりなのでしょうか。 

最近はアルコール度数が高めのお酒が低調らしく、代わって「低アル」「微アル」「ノンアル」が人気なのだそうです。 

お酒との付き合い方にも変化があらわれているようです。 

 

流れは「ストロング」から「低・微・ノン」に 

一時はテレビであれほど激しくコマーシャルを流していたアルコール度数7〜9%のストロング系缶チューハイでしたが、最近はまったくといっていいほど、お目にかからなくなりました。 

「どうしたのだろう?」と思っていたら、そうした商品の新規販売を中止したり、商品開発を取りやめたりする動きがメーカーの間で広がっていたのだそうです。 

近年の健康志向の高まりを考えれば、「さもありなん」といったところですが、今ではストロングとは逆にアルコール度数3.5%以下の低アルコールや1%未満の微アル、0%のノンアル飲料が好調のようです。 

 

飲む酒の量ではなく純アルコール量へ 

そんな流れの中、厚生労働省は『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を公表しました。 

飲む酒の量ではなく純アルコール量に着目して、「健康への意識を高める」ことを厚労省は目指しているようです。 

純アルコール量というのは、文字通り酒に含まれるアルコールの量のこと。私たちはこれまで、お酒を飲むときはアルコール度数や何杯飲んだかなどで自分が飲んだ酒の量を「なんとなく」認識していました。 でも日本酒、ビール、焼酎、ワインなど酒の種類によってアルコールの濃さ(強さ)つまり度数は違います。これでは自分が飲んだ酒の純アルコール量を把握するのは困難です。 

 

純アルコール量の目安は男女で違う 

純アルコール量は、飲む酒の量とアルコール度数とアルコール比重(0.8)の3つを掛け合わせると計算できます。 

例えばアルコール度数5%のビール500ml缶1本を飲んだ場合、純アルコール量は20gになります。 

厚労省は、この純アルコール量を使って生活習慣病のリスクを高める飲酒量を定義。1日の摂取量が男性40g、女性20gをそれぞれ超えると脳血管系疾患やがんなどのリスクが高まるとしています(純アルコール量は、面倒な計算抜きで飲料容器の表示部分でも確認できます)。 

しかし、「飲酒の量に安全な目安はなく、たとえ少量のアルコールでも健康に害を与える」ともいわれています。高血圧や胃がん、食道がんなどは少量の飲酒でも発症リスクがあるとされています。 

毎日飲酒を続ければ、事故も含めてさらに健康リスクは高まります。 

 

お酒との付き合い方にも時代の変化 

「ソバーキュリアス」という言葉が浸透しつつあるといいます。 

酒は飲めるけれども「あえて酒を飲まない生活」を選択する生活スタイルのことだそうで、たとえ飲むとしてもほんの少しだけ……のようです。 

健康志向の高まりとともに、お酒との付き合い方にも変化が出てきたといえます。お酒は「酔うため」に飲むのではなく、お酒を「楽しむ」といった考え方が広まっているようです。 

ストロング系飲料が衰退し、低アルコール、微アル、ノンアルが人気を得ているのも、そんな社会の変化が背景にあるのではと思われます。 

日本は、お酒や「酔っぱらい」に寛容なお国柄といわれます。それだけに左党には節度ある飲み方が求められるといえそうです。 

厚労省が求める「節度ある飲酒」とは1日当たり純アルコール量が20g程度だそうです。 

 

<参考> 

*「科学的根拠に基づくがん予防」(国立がんセンターがん情報サービス) 

*「健康日本21(アルコール)」「飲酒量の単位/e-ヘルスネット」(厚生労働省) 

*「しぼむストロング系」(東京新聞/2024.4.6 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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