お風呂に入ると「ファー」と声が出るのはなぜ?
世界に冠たるお風呂大国と思われたニッポンの最近の入浴事情は、若い世代を中心にシャワー派が優勢のようです。
でも、お風呂に入るのは単に汚れを落とすだけではなく、なんかいいことがあるようなのですが……?
シャワー派が5割を超えた?
ふだん入浴するとき、シャワーですましていますか? それとも湯船につかって、ゆったりすごすのが好きですか?
モノ情報誌「DIME」(小学館発行)によると、ふだんの入浴方法では、全体の52%がシャワー派。湯船派は過半数に届かず、47%にとどまったということです(LINE株式会社調査より/全国15歳〜59歳の男女5,252人対象)。
年代別にみるとシャワー派が圧倒的に多いのは20代で64%。次いで30代の53%でした。10代と40代はシャワー派と湯船派がほぼ半分。
湯船派が多数を占めたのは唯一50代で55%でした。
ただ男女別でみると、女性は10代と20代にシャワー派が多く、30代以降は湯船派が多数だそうです。
男性でシャワー派が多いのは20代〜40代。10代と50代は湯船派が多いそうです。
シャワーにはないお風呂の効果
シャワーはササッと手早く汚れや汗を流すには便利で時間の短縮になりますが、お湯につかってゆっくりしたい、疲れをとったり癒されたいというときには、やはり湯船にまさるものはないでしょう。
よくいわれるのはお風呂のリラックス効果。湯船につかると浮力がつき、それによって体の筋肉のこわばりや関節の筋肉の緊張がとれて、肉体的にも精神的にもリラックスできるのだそうです。
また、体が温まって血管が広がり血液やリンパ球の流れがよくなり、新陳代謝が活発になるといいます。
疲労物質や老廃物が排出されて疲労回復を助けるともいわれます。
「ひらめき」は入浴中に湧いてくる?
『アルキメデスの原理』って聞いたことありますよね。
古代ギリシャの数学・物理学者のアルキメデスは、入浴中に浮力の原理を発見し、裸で表通りに飛び出したというエピソードは有名です。
湯船につかると心身ともにリラックスして、アルファー波やシータ波といった脳波が発生するそうです。
アルファー波はリラックスしているときや集中しているとき、瞑想状態に入ったときなどに発生するといわれる脳波で、シータ波は浅い睡眠中に見られる脳波といわれています。
とくにシータ波は「まどろみ波」とか「ひらめき波」などとも呼ばれているそうで、潜在意識に働きかけて思考を刺激するといわれています。
そんな「ひらめき」、ボーッと湯船につかっているとき突然、降りてきた経験、ありませんか?
お風呂に入ると「ウワァァ…」と声が出るのは?
ところでお風呂に入ると「フゥー」とか「アァー」といった声が自然に出てきませんか? この声は入るお風呂のお湯の温度によって違います。
体温よりも高いお湯に入ったときは「ゔぁ~」とか「ぐっぅー」といった息を詰めるような声が多いようです。
人気テレビ番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK)によると、これはお湯の熱さに耐えようとして交感神経が優位に働いて、体が緊張状態になっているんだとか。
恥ずかしがらずに声を出そう!
ただ、それが続くと血圧が高くなったり呼吸が速くなったりして危険なので、「ゔぁ~」といった声を出して、お湯の熱さに耐えられるようにしているらしいです(……諸説ありだそうですが)。
一方、お湯の温度が体温とあまり差がないときは「あぁー」「ふぅー」といった、ため息のような声が自然にもれます。副交感神経が優位に働いてリラックスしている状態のようです。
いずれにしてもお風呂に入ったら声を出すのが体にはいいらしいです。恥ずかしがらずに、がまんしないで体の奥底から声を出しましょう。
「ああ~~」「う~~~」……。
<参考>
*「『シャワー』派、『湯船』派を上回る」(@DIME/小学館)
*「『θ(シータ波)』新脳内革命」(小学館)
*「『大きなお風呂に入ると気持ちがいい』その理由は脳波の変化にあった」(東京銭湯/東京都浴場組合)
*「(お風呂に浸かったときに)『ゔぁ~』と言うのはなんで?」(『チコちゃんに叱られる!』/2018.4.20放映/NHK)