プラスコラム
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突然発症 大人のアレルギー

子どものときならいざ知らず、大人になった今、いきなり食物アレルギーに! そんな人が最近、増えているらしいです。そこにはどんな発症の原因があるのでしょうか?

 

●大人の食物アレルギーの原因物質は?

子どもに多いイメージのある食べ物によるアレルギーですが、近年、大人になって発症する例が増えているようです。

 子どもの場合、食物アレルギーを引き起こすアレルゲン(原因物質)の多くは、鶏卵、牛乳、木の実類、小麦といわれています。

いっぽう大人の食物アレルギーの特徴は、果物や野菜(豆乳・大豆を含む)、小麦、エビ・カニなどの甲殻類などで、アレルゲン全体の約7割を占めるということです(相模原病院/2009~2011年受診した153例の内訳/東京新聞2022.5.17より)。

 

●花粉症が食物アレルギーの原因?

 リンゴを食べたらノドがイガイガする、口の中がかゆくなったなどの症状が出たら要注意。果物や野菜による食物アレルギーかもしれません。

こうした大人の食物アレルギーの約半数は、リンゴやモモ、キウイなどの果物のほか、トマトなどの野菜が原因といわれています。

それまで何事もなくふつうに食べていた果物や野菜が、突然、アレルギーを起こして食べられなくなる原因は、意外にも花粉症が深く関係しているといわれています。

 花粉症の大人の10人に1人は食物アレルギーの症状を訴えているともいわれています。

 

●発症するまさかの理由とは?

 花粉と果物、野菜がどのように結びつくのでしょうか。

 果物や野菜に含まれる成分には、花粉のアレルゲンとよく似た構造のものがあり、そのために特定の果物や野菜を食べると抗体が花粉と勘違いしてアレルギー症状が出るといいます。

こうした状態を「交差反応」というそうです。

この交差反応によって、花粉症の人が果物や野菜が原因で発症するアレルギーを「花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS)」とか「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼んでいるようです。

 

●原因の花粉と果物が似た構造

 例えばモモやリンゴなどのバラ科の果物は、シラカバ、ハンノキの花粉に似た構造を持ち、メロンやスイカなどのウリ科の果物はカモガヤなどのイネ科の草の花粉と似た構造なのだそうです。

さらにトマトやキュウリ、バナナはブタクサの花粉とそれぞれ構造が似ているそうです。どの植物による花粉症かによって、症状が出る果物や野菜の種類は違うといいます。

なお豆乳のように特に注意が必要なものもあり、医療機関を受診して確認するのがいいようです。

 PFASは花粉症にかかる人の増加とともに増えているといわれます。また、花粉症以外にも交差反応による食物アレルギーの発症例はたくさんあるようです。心配なときはアレルギーの専門医を受診しましょう。

 

<参考>

*「果物など 大人の食物アレルギー」(東京新聞/2022.5.17)

*「油断できない 大人の食物アレルギー」(沢井製薬株式会社)

*「食物アレルギー、大人になってから発症することもあるの⁉︎」(第一三共ヘルスケア株式会社)

*「どう防ぐ? 大人の食物アレルギー」(NHKクローズアップ現代/2023.4.26)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。