知っていますか? やけどの応急処置
冬になると増えるのがやけどの事故。いざというときにあわてないためにも、応急手当の方法を覚えておきましょう。
身近なやけどの原因
やけどは私たちにとって身近なケガのひとつ。
日本創傷外科学会によると、液体によるやけどで多いのが、やかんや鍋のお湯、天ぷら油、コーヒーやお茶、味噌汁などの熱い飲み物、カップ麺など。
またストーブやアイロン、ホットプレートなどによるやけどや調理中の着衣への引火、仏壇のロウソクから着衣への引火、火災によるやけどなどがあるそうです。
冬はまた、湯たんぽや電気あんか、電気毛布、使い捨てカイロなどによる低温やけども増えてきます。
一刻も早く冷やすことが大事
やけどの応急処置は早ければ早いほど、痛みが軽くなるだけでなく、やけどの悪化を防ぐといわれています。
日本創傷外科学会によると、やけどをしたら一刻も早く水道の流水や範囲が広ければ冷たいシャワーを使って患部を十分に冷やすことが大事だといいます。
水ぶくれがあるときなどは、できるだけ水ぶくれを破らないように冷やすこと。水ぶくれに清潔なポリ袋やラップを当てて、その上から流水で冷やすといいといわれています。
やけどの部位や範囲にもよるそうですが、冷やす目安は5分~30分ほどで、やけどの痛みがなくなるまで十分に冷やします。
ただし、高齢者や子どもが広範囲にやけどをした場合は、長時間冷やすと低体温になることがあるそうなので気をつけましょう。
衣服は無理に脱がさないで
衣服の上から熱湯をかぶってしまった場合などは、すぐに脱ぐと皮膚や水ぶくれが破れてかえって傷口を深くしてしまうこともあるそうです。
無理に脱がさずに服の上から流水をかけて冷やすとよいそうです。
また、やけどの部位はだんだんに腫れてきます。また金属類は熱を保持しやすいので、その熱でやけどが進行することがあるそうです。
手指をやけどしたら指輪や時計などのアクセサリーは早めに外しましょう。
自己判断のケアは禁物
やけどを早く治して傷跡を最低限にするためには、応急処置後は患部を冷やしながら出来るだけ早く皮膚科医など専門医の診察を受けることが大事です。
とくに、広範囲のやけどや子どもや高齢者、基礎疾患のある人のやけど、また水ぶくれができていたり、顔や手にやけどをしたときなどは至急受診しましょう。
なお、受診前に患部に軟膏やオイルなどをつけると、その後の治療に差しさわりが出てしまうことがあるそうです。自己判断で軟膏などをつけないようにしましょう。
初期に適切な治療が行われないと、治るまでに時間がかかり、傷あとが目立ってしまうことがあるといいます。やけどをしたら軽いので大丈夫と思わず、受診することをおすすめします。
狭い範囲のやけどの場合は皮膚科や形成外科へ。
広範囲のやけどや手足や顔、陰部などの部位のやけどは部分をやけどは入院治療が必要になることもあるので、形成外科か皮膚科のある総合病院を受診するとよいそうです。
<参考>
※「いざというときの家庭の医学」)『きょうの健康』2023年7月号 NHK出版)
※「やけど(熱傷)」(日本創傷外科学会)
※「やけど(熱傷)」((日本形成外科学会)
※「皮膚科Q&A」(日本皮膚科学会)