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デンタルIQをご存じですか?

日本歯科医師会は、11月8日(いいはのひ)に合わせて、全国の20代~60代の男女1万人を対象に「デンタルIQ」の意識調査を発表しました。

でも、そもそも「デンタルIQ」って、どういうものなのでしょうか?

 

デンタルIQとは?

 一般にIQとは知能指数をさしますが、「デンタルIQ」というと皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

「歯やお口の知識が豊富な人?」「歯科に関する専門知識が高い人?」「きちんと歯磨きできる人?」など、いろいろなことが思い浮かびますが、日本歯科医師会によるとデンタルIQは正しくは、その人の「歯とお口の健康への関心・意識の度合い」を示す言葉だそうです。

 単に歯やお口の知識があるだけでは「デンタルIQが高い」とはいえないようです。

 

多くの人が言葉の意味を誤認

 日本歯科医師会が男女1万人に実施した「デンタルIQの関する意識と実態調査」によると、デンタルIQを言葉として認知していると回答した人でも約7割はその意味を誤認。正しく理解できている人は29.3%にしかすぎませんでした。

 誤認している人が多かった「デンタルIQ」ですが、この言葉の正しい意味を提示すると、9割が「大事だと思う」と回答したそうです。

 

デンタルIQチェックで、正解率が高かった項目、低かった項目

 また、デンタルIQの意識調査では1万人にデンタルIQを探るべく「デンタルIQチェック」を実施したそうです。

 ちなみにデンタルIQチェック項目の中で、正解率が高い上位3項目は以下の通りです。

・「正しく噛むことは、脳の活性化につながる」(答え〇 正解率95.1%)

・「唾液の役割の一つには免疫機能がある」(答え〇 正解率93.3%)

・「むし歯は痛みなく進行するものがある」(答え〇 正解率92.7%)

 

さて、一方で正解率が低かった項目もみてみましょう。

・「口臭を引き起こす原因として大きな割合を占めるのは、歯周病である」(答え× 正解率12.0%) ※正解は口臭を引き起こす一番の要因は舌にたまった汚れ「舌苔」で、原因の6割といわれている。

・気づかないうちに進行する歯周病は、国民の約5割がかかっている(答え× 正解率14.0%) ※正解は、日本の歯周病罹患者は30代の3人に2人、「40代以上の8割」と報告されている。

 

デンタルIQ高めの人ほど、セルフケアを実践

皆さんは正解できましたか?

なお、男性は20代・30代はIQ低めの割合が多く、女性50代、60代はデンタルIQが高めの割合が多かったそうです。

 また、デンタルIQが高めの人ほど、歯やお口の健康を保つために定期検診を受けたり、セルフケアを実践し、知識も豊富であるといった結果が出たようです。

 歯と口の健康は全身の健康とかかわりがあることが知られています。

 いつまでもおいしく食べて全身の健康を守るやためにも、これを機に「デンタルIQ」を高めたいものですね。

 

<参考>

※プレスリリース「デンタルIQは、“歯とお口の健康への関心・意識の度合い”」(日本歯科医師会)

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。