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そのだるさは、夏バテではなくて夏貧血かも!?

今年も全国的に厳しい暑さが続いています。夏は貧血が起きやすい季節だといわれています。

あなたは大丈夫ですか?

 

症状が似ている夏バテと貧血

猛暑続きで、バテバテという人も多いのではないでしょうか? 

夏バテになると、だるさや倦怠感などの症状が出てきますが、実は夏バテだと思っていたら貧血であることが少なくないそうです。

そもそも貧血は、とりわけ女性に多いトラブル。女性に多いいちばんの理由は毎月の月経です。

 

20代~40代の6割以上が貧血!?

月経では、経血といっしょに鉄分が失われるので鉄分不足となり、どうしても貧血にかたむきがち。

そのうえダイエットをしていたり、外食や偏食、食事抜きなどの食生活を送っていると、栄養が偏って鉄分不足に拍車がかかるといわれています。

月経のある20代~40代の女性のなんと約65%が、鉄欠乏性の貧血か「隠れ貧血」だといわれています。貧血は決して「他人事」ではないのです。

 

不調の陰に貧血あり

貧血になると、体のすみずみまで十分な酸素量を届けられなくなるので、体が酸素不足に陥って、疲労感、倦怠感、動悸、息切れ、めまい、頭痛などの症状が出てくることが知られています。

 

汗をかくと鉄分も流出

夏は大量に汗をかきます。汗とともに水分や塩分と共に実は鉄分をはじめとするミネラルも排出されてしまうので、夏場はとくに貧血が起こりやすいといわれています。とくに今年は猛暑の中でのマスク着用生活。例年以上に汗をかいて失われる鉄分も多いことが考えられます。

疲れやすい、だるいなどの不調は単なる夏バテからくるものと思っていたら、貧血がひどくなっていたということもあるので注意が必要です。

貧血になると、さまざまな不調が現れるだけでなく、長い間放置すると、心機能にも影響を及ぼすといわれています。たかが貧血と軽視せずに、しっかり対策をとりましょう。

 

鉄補給は毎日の食事がカギ

 貧血には、バランスの取れた食事を心がけて、日常的に鉄を補給することが大事だといわれています。汗で失われがちな鉄を補うためにも、夏こそしっかり鉄分をとりたいものですね。

 鉄分を多く含む食品には、レバーやうなぎ、ホウレンソウなどがありますが、毎日欠かずとりやすい食品としては大豆や大豆製品がおすすめです。

 鉄の吸収をよくするためには、たんぱく質やビタミンCを含む食品を一緒にとるとよいそうです。

 鉄分を意識しながらバランスよく食事をとって、だるさや疲労感といった不調から脱却したいものですね。

 

<参考>

※「汗と流れて鉄分不足 夏の貧血 スポーツにも注意」(東京新聞 2021/7/20)

※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)

 

 

 

 

 

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。