生理前に「無性に食べたくなる」のはなぜ?
生理前に、やたらと甘いものを食べたくなったり、食欲が増すことはありませんか?
生理前はスイーツや菓子パンを買って、ドカ食いしてしまうという人も少なくありません。
多くの女性が経験するこの現象には、女性ホルモンの変化が大きく関係しているようなのです。
女性の多くが悩む生理前の不調
イライラしたり、顔や体がむくんだり、乳房が張ったり、下腹部が重くなって痛んだり……毎月、生理が始まる3日~10日前くらいから決まって現れる不調がPMS(月経前症候群)。多くの女性にとって、なじみの深い不調といえます。
実は、生理前に無性に甘いものが食べたくなったり、やたらと食欲が増して過食してしまうなど食欲のコントロールができなくなることも、PMSの症状の1つであることが知られています。
生理前は無性に食べたくなる
排卵から生理までの間には、女性ホルモンのプロゲステロンの影響で、血糖値が大きく変動しやすくなります。そのために、無性に甘いものが食べたくなったり、過食になったりするといわれています。
こんなときに、チョコレートやケーキ、菓子パンなどを食べると、急激に血糖値が上がるので、一時的にイライラが収まるそうです。
しかし、血糖値の上昇が急激だった分、その後血糖値は一気に急下降。
急激に血糖値が下がると、眠気や倦怠感、イライラといった症状が起こるようになり、すぐに甘いものがまた欲しくなったりするのだそうです。
すると、「イライラ→甘いお菓子やパンを食べる→血糖の乱高下が起こる→さらにイライラする」こんな負のスパイラルに陥ってしまう危険性があるといいます。
PMSの症状を悪くさせる食べ物
血糖値の乱高下は、血管を傷つけ肥満リスクを上げるといわれています。
さらに砂糖たっぷりのスイーツなどを取りすぎるとPMSの症状の悪化にもつながるそうなので、要注意。
食事で血糖値を急激にあげないためには、ドカ食いを避けるために3食きちんと食べること。最初は野菜から食べるなど食べ物の順番に気を付けて、ゆっくり噛んで食べることも大事なようです。
また砂糖、白パン、白米、パスタなど血糖値が上昇しやすい精白食品はできるだけ控えて、玄米や雑穀類をとることも大事なポイント。ビタミン・ミネラルの摂取を心がけるとよいそうです。
さらに、PMSの症状を悪化させるアルコールや喫煙は控えることがすすめられています。
予防対策を講じて、上手に付き合おう
生理前になると、食欲がコントロールできなくなるという人は、PMSを悪化させる食べ物や嗜好品はできるだけ控えたいもの。
毎月起こりやすい不調だからこそ、予防・対策を講じて、女性ホルモンと上手に付き合っていきたいものですね。
<参考>
*「月経前症候群(PMS)とは?」(日本産科婦人科学会)
*『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』(永岡書店 松村圭子著)
*『ウィメンズ・メディカ』(小学館)