「疲れ目」「眼精疲労」の正体は?
テレワーク推進で、会社で仕事をする以上に目を酷使してしまう人が増えているそうです。
仕事のパフォーマンスを下げてしまうといわれる「疲れ目」と「眼精疲労」。
そもそもどんなトラブルなのでしょう。
現代人は目の酷使から逃れられない運命?
仕事中は長時間パソコンを使い、オフタイムでもスマートフォンやテレビ、ゲームなどで1日の多くの時間、モニター画面を見てしまうことも……現代人は、目を酷使することから逃れられない時代だといわれています。
目がしょぼしょぼしたり、小さな字がぼやけたりかすんで見えたり。近くのものを長時間見続けた結果起こるのが疲れ目だといいます。
最近、ひんぱんに目の疲れを感じることはありませんか?
ピント機能の低下が原因
でも、疲れ目はなぜ起こるのでしょうか?
そもそも、近くのものを見るためには、眼の中のレンズである水晶体を厚くして焦点を合わせる必要があります。そのために酷使されるのが水晶体を調節してピントを合わせる働きがある毛様体筋と呼ばれる筋肉。
パソコンの画面などを見続けているとこの毛様体筋が緊張し続けるために、次第にピント調整機能が低下して、目がぼやけたりかすんだりしてくるそうです。
これが疲れ目の原因だといわれています。
オフィスワーカーを対象としたあるインターネット調査では、9割以上がパソコンによる作業で疲れ目を感じており、夕方16時~23時台が目の疲れを感じると回答しているそうです。
疲れ目はオフィスワーカーにとって切っても切れない悩みともいえます。
慢性的に目や体に症状が出てしまう「眼精疲労」
ところで、ひと晩休むと元に戻っているのが疲れ目だといいます。
それに対して、睡眠や休息をとっても目の痛みやかすみは改善せず、ひどい場合は頭痛や肩こりも伴うような深刻なトラブルが眼精疲労だそうです。
なかには、瞼がけいれんしたり、ひどい肩こりに悩まされて吐き気が起こったり、腰痛や背中の痛み、腕の痛み、手のしびれなどの症状が現れることもあるそうです。
病気が隠れていることも
眼精疲労は、パソコンやスマホなどで長時間使用する以外にも、暗い場所で行う手元の作業や遠視、度の合わない眼鏡の使用など、目の焦点を合わせる毛様体筋の緊張が続くときに起こりやすいようです。
そのほか、精神的なストレスやドライアイ、緑内障など目の病気が原因で起こることもあるといいます。
眼精疲労があると疲労が蓄積し、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。
「単なる疲れ目だろう」と、思ってがまんしないこと。
また、目の使い過ぎ以外の原因もあるそうですから、症状が続くときには一度は眼科を受診して、原因を調べてもらうことをおすすめします。
*次回は「眼精疲労のセルフケア」について解説します。
<参考>
*「パソコンと目」(日本眼科医会)
*『目の疲れをとる本』(講談社 坪井隆著)