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生活を見直して“眼精疲労”とサヨナラを!

厚生労働省の調査によると、コンピューター機器などのVDTを使用する労働者の約7割が身体的な疲労や症状を感じていて、そのうちの約9割が「目の疲れや痛み」を訴えています。
現代病ともいえる「眼精疲労」は、どうしたら防げるのでしょうか。また、眼精疲労になったときは、どんな点に気をつければよいのでしょうか。
今回は、眼精疲労の対策編をお届します。

眼精疲労が起きたら、ここをチェック!

テレビ、携帯メールやパソコン、テレビなど、視覚への刺激に満ちた現代では、眼精疲労が起きやすい状況です。眼精疲労の原因を突き止めて取り除くことが、眼精疲労対策につながります。
眼精疲労が起こったら、次のことをチェックしてみましょう。

(1) メガネやコンタクトレンズは合っている?

近視、遠視、乱視、不同視(左右の視力が極端に違っていてバランスがとれていない状態)などが、メガネやコンタクトレンズで適正に矯正されているかどうか、眼科で検査を受けて確認しましょう。
多くみられるのが、メガネやコンタクトレンズの過矯正(度の上げすぎ)によって起こる眼精疲労です。
ものを見るときの視力は、パソコンなど近くのものを見る場合は0・6~0・8くらい、運転など遠くのものを見る場合は1・0以上あるといいのですが、メガネやコンタクトレンズは1種類しか持っていないという方が少なくありません。
遠くがよく見える処方のメガネやコンタクトレンズでパソコンのキーボードやモニターを見るといった近距離の作業を長い時間続けていると、度数が強すぎて眼精疲労を起こしてしまいます。

(2) 鏡で両目の目の大きさや位置が同じか、目の動きが正常かなどを要チェック

目の位置の異常から眼精疲労が起こることがあります。両目の大きさや位置、目の動きなどに異常はないか鏡でチェックしてみましょう。
また同時に、頭や顔がまっすぐ向いているかどうかもチェックしてみましょう。
癖でいつも顔を傾けているなど、目の機能が正常であっても姿勢が原因で眼精疲労が起こることもあります。

(3) 目に快適なオフィス環境が整っている?

快適な環境は、温度17℃~28℃。寒過ぎても暑過ぎても、目にとってはよい環境とはいえません。また、騒音などのストレスも目に与える影響が大きく、眼精疲労の一因になります。騒音は55デシベル以下が理想です。
騒音が大きい場合は、耳せんをするなどの対策をたてましょう。

(4) 適切な作業環境になっている?

パソコンのモニターに、照明や窓からの光が映り込んでいませんか? モニターは照明などの光が反射しない場所に設置しましょう。
また、画面の輝度が高いほうが、画像のコントラストが強くなるので文字などが見やすくなります。画面の明るさを調整してみましょう。
画面と目の距離は40~70センチくらいにし、視線がやや下向きになる角度にしておくことも大切です。

(5) 適度な休憩をとっている?

厚生労働省の「VDT作業に置ける労働衛生管理のためのガイドラインで」は、作業時間について、連続1時間を超えないよう、作業時間に10~15分の休憩時間をはさむこと、一連続作業時間にも1~2時間程度の小休止を設けることが定められています。
疲れを感じる前に、こまめに休憩をとりましょう。

(6) 目に過剰な負担がかかっていない?

TV、ゲーム、パソコン、携帯画面を見続けるなど、1日中、目を酷使し続けていませんか? たとえば、帰りの通勤電車の中では携帯電話を見ないようにするなど、定期的に目を休める習慣をつけましょう。

また、十分な睡眠をとることも大事なポイントです。ゆっくり休んで「お疲れ気味」の目をいたわってあげてください。

プロフィール

西之原 美樹 先生
眼科
西之原 美樹 先生

アイリスター麻布クリニック 院長

東京大学附属病院で研修 東京逓信病院勤務 等
日本眼科学会 日本レーザー治療学会
日本麻酔科学会 日本美容外科学会
日本ペインクリニック学会 日本抗加齢医学会員 等

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