プラスコラム
PLUS COLUMN

狭まる愛煙家包囲網 ジワリ?

何かと話題になるアメリカ・トランプ大統領ですが、電子タバコをめぐる発言は多くの人に好感をもって受け止められたのではないでしょうか……?

 

アメリカではじまる電子タバコ規制?

新聞などの報道によると、全米で電子タバコによる若者の死亡や多くの肺疾患の患者が出ているということから、トランプ氏は、「若者や子どもが被害を受けてはならない」などとして電子タバコの販売を禁止することを表明したということです。

かつて「アメリカがくしゃみすれば日本は風邪をひく」などといわれました。

報道のようにアメリカで電子タバコへの規制が広がれば、日本への影響は避けられないかもしれません。

いよいよ愛煙家にとっては容易ならざる事態なってきました。

 

タバコはすべて屋内では全面禁煙?

国内的には2020年4月からの改正健康増進法の施行で、飲食店での全面屋内喫煙がはじまるのを前に、すでに店内を全面禁煙にする外食チェーンや飲食店なども現れはじめたようです。

そんななか電子タバコや加熱式タバコなら紙巻タバコ違って副流煙の心配もないし、周囲に迷惑をかけることもないだろうと考えている愛煙家もいるかと思います。

しかし、以前も書きましたが、「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解」によれば、どちらのタバコも「健康に悪影響があり、吸った人の呼気による受動喫煙によって健康被害が生じる可能性」があり、紙巻きタバコと同様に「すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない」としています。

一方、厚生労働省は加熱式タバコの場合、法律施行後は専用の喫煙室内なら吸うことができるとしています。

ただ、受動喫煙による「健康へのリスクは否定できない」ともいっているようだし、このタバコ問題、なんだか煙にまかれたようではっきりしない国の対応です。

 

<参考資料>

*「米で電子たばこ禁止へ」(東京新聞/2019.9.12)

 

<参考URL>

*「米、電子たばこ禁止へ=香りや味付き、ほぼ全て」(時事通信)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019091200181&g=int

 

*「加熱式でも受動喫煙防止 改正健康増進法 紙巻きに比べて緩い規制」(東京新聞 TOKYO Web)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201905/CK2019053102000184.html

 

*「非加熱・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解」

http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。