プラスコラム
PLUS COLUMN

身近な運動。エレベーターより階段利用で

感染症が気になるこのごろ。

こんなときこそ、密室になるエレベーターよりも階段を利用して、日頃の運動不足を解消しませんか。

免疫力もアップしそう?

 

手軽についでにできる階段利用で運動を

運動を始めるきっかけは、人によってさまざまですが、感染症の流行で、密室になるエレベーターはいやだなぁとか、衛生面が気になってエスカレーターの手すりにつかまりたくないという人は、階段を利用して運動するチャンスかもしれません。

 

運動量を増やすチャンス

身近な行動でもそれなりの運動強度が得られるのが、階段の上り下りだといわれています。

とくに上りの階段は、平地を歩く場合の約2倍ほどの運動量になるとか。

階段の上り下りは地味な運動ですが、毎日コツコツ行えば、不定期にジムに通うよりも運動効果が得られそうです。

 

下肢の筋量・筋力増加に効果アリ

ちなみにスポーツ庁の鈴木大地長官は自身の健康管理のために、毎日長官室のある13階まで階段を登って登庁しているという記事を読んだことがあります。

さすが元オリンピックのメダリスト。

ものすごいパワーですね。

「いやいや、それ、とうてい無理でしょう」と後ずさりしている人のために、朗報があります。

それが愛媛大学の最先端研究で紹介されていた「人々の『筋力向上活動』の促進を目指した行動研究」という研究成果です。

筋トレを実践してもなかなか継続できない人が多いものです。

そこで、日常的にできる階段利用に着目して、1日合計の階段利用量を増加させることが下肢の筋量・筋力の向上に有効かどうかを検証したそうなのです。

今回の研究では、結果として、階段利用で下肢の筋量や筋力が増加したといいます。

 

細切れ階段利用でもOK

さらに、たとえば1階~9階を連続して上ることをしなくても、1階~3階を1日の中で3回に分けて上ることでも十分に下肢の筋量・筋力が増加することがわかったそうです。

どうですか。

高層階にオフィスがある人でも、他の階にある部署に書類を届けに行くときには階段を使ったり、駅でもこまめに階段を利用していれば、なんとなく目標に達しそうな気がしませんか? 

これをきっかけに、階段利用を始めてみてはいかがでしょう?

 

<参考資料>

*「人々の『筋力向上活動』の促進を目指した行動科学的研究」(愛媛大学)

https://www.ehime-u.ac.jp/data_study/data_study-3350/

 

*「第50回スポーツニッポンフォーラム」(スポニチプラス)

https://sponichi.net/sponichi-plus/sponichi-forum/0829freshinfo-sponichiforum/

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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