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くり返す子どもの中耳炎、 もしかしたら親の喫煙が原因なのかも

 

子どもによく起こる耳の病気に中耳炎があります。

風邪の合併症で知られる中耳炎ですが、その後何度も中耳炎をくり返すケースも少なくないようです。

くり返す中耳炎は、親の喫煙がリスクになることをご存知ですか?

 

反復性中耳炎とは

小さな子どもほど、よく急性中耳炎にかかりますね。

なかには、何度も急性中耳炎にかかってしまうことも。

急性中耳炎を何度もくり返す場合を反復性中耳炎というそうです。

反復性中耳炎とは、小児急性中耳炎診療ガイドライン(2018年版)によると、「過去6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上急性中耳炎にかかる場合」と定義しています。

「あ、うちの子もそうかもしれない」と思いあたる保護者の方も多いかもしれませんね。

 

受動喫煙でリスクが上がる

保育園や幼稚園に通う子供は、風邪をひく機会が多いために、しばしば急性中耳炎になりやすいと言われています。

そのほかにも、急性中耳炎をくり返す原因としては、年齢が小さくてまだ免疫力が未熟であること、また薬剤耐性菌(抗生剤が効きにくい菌)などにより起こるのではないかと言われています。

そしてもう1つ、家庭環境のリスク要因として報告されているものに、じつは受動喫煙があるそうです。

 

受動喫煙で耳管の働きが悪くなる?

ちょっと無難しい話になりますが、のどの奥と中耳の間には「耳管」という管が通じています。

タバコの煙を吸い込むと、この耳管の働きが悪くなって、中耳炎のリスクが上がることが知られています。

そのため、喫煙家庭の子どもは中耳炎になりやすいと考えられているそうです。

 

子どもに深刻な害を及ぼすタバコの煙

紙巻たばこの煙には、わかっているだけで4000種類以上の化学物質が含まれていて、そのうちの200種類以上は有害だといわれています。

またタバコの害は、喫煙者本人が吸い込む主流煙よりも、火のついたタバコの先端から立ち上る副流煙のほうがもっと危険であることがわかっています。

環境を選べない子どもにとって、受動喫煙による健康被害は深刻です。

受動喫煙により乳幼児突然死症候群を招きやすいことや気管支ぜんそくなど呼吸器になりやすいことなどが知られていますが、中耳炎のリスクも上げてしまっているのです。

 

周囲を巻き込むタバコの害

受動喫煙は社会全体の問題となっています。

とくに子どもや妊婦さんには大きな影響を及ぼすといわれています

喫煙者は、タバコの害は自分一人の問題ではすまないことを、改めて知っておいたほうがよさそうです。

愛する家族のためにも、思いきって禁煙することをおすすめします。

 

<参考図書>

*「キッズメディカ 子ども医学館」(小学館)

 

<参考URL>

*小児急性中耳炎診療ガイドライン 2018年版

https://www.otology.gr.jp/common/pdf/guideline_otitis2018.pdf

 

*耳、鼻・のどの健康は「禁煙!」から(くまもと禁煙推進フォーラム)

http://square.umin.ac.jp/nosmoke/material/TS_ENT.pdf

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。