健康診断を知る
CHECKUP GUIDE

ヘリコバクター・ピロリ菌の検査その他の主な検査

基準値

尿素呼気 2.5‰(パーミル)未満
血中ピロリ菌IgG抗体 10U(ユニット)/mℓ未満
便中ピロリ菌IgG抗体 陰性(-)

どんなときに受ける?

胃腸に不調があったり、胃や十二指腸の潰瘍をくり返す場合に受けます。

どんな検査?

ヘリコバスター・ピロリ菌は、胃の粘膜にすみつくらせん状の細菌です。以前は、強い酸性の胃酸が分泌される胃の中では、微生物や細菌は生息できないとされていました。しかし、1983年に発見されてから、ヘリコバスター・ピロリ菌が慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因の1つではないかと考えられるようになりました。
現在では、胃や十二指腸の潰瘍をくり返し再発する人に、ヘリコバスター・ピロリ菌が関与しているかを調べる検査が行われています。

検査で何が分かる?

検査には、尿素入りのカプセルを服用して、吐く息を調べる「尿素呼気試験」、血液を採取してヘリコバスター・ピロリ菌の抗体が含まれているかどうかを調べる「血中ピロリ菌IgG抗体検査」、便を採取してその中の抗体を調べる「便中ピロリ菌IgG抗体検査」があります。
そのほか、内視鏡で胃粘膜を採取して、ピロリ菌を培養する検査が行われることもあります。
検査によってピロリ菌に感染しているとわかれば、除菌治療が行われます。胃酸分泌抑制薬と抗生物質をあわせて、通常1週間服用します。この治療で、90%以上が除菌できるといわれています。ヘリコバスター・ピロリ菌は胃がんにも関係していると考えられているので、がん検査も必ず受けましょう。
なお、抗生物質にアレルギーのある人は除菌治療が受けられないので、注意が必要です。
また、除菌治療中に発熱したり、下痢や血便などの症状が出た場合は、すぐに主治医に相談することが大切です。