プラスコラム
PLUS COLUMN

高温多湿の時期、イヤホン利用者は耳カビに注意!

通勤時に、スマホで音楽を聴いたり動画やゲームを楽しむときに欠かせないのがイヤホン。

毎日のようにイヤホンを利用している人も多いのでは?

でもこの時期は、イヤホン利用が耳カビを引き起こすことがあるそうです。

 

体にもカビ発生?

梅雨といえばカビの繁殖シーズン。

浴室や窓のサッシなど、ちょっと油断をするとすぐにカビが発生してしまいます。

またキッチンに置いておいた食品にもカビが発生していて、ギョッとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

実は、体にもカビがつくことがあります。

代表的なのが、みなさんご存知の水虫ですが、なんと、耳の中にまでカビが発生するそうなのです。

 

イヤホンで耳の中が蒸れると……

いわゆる「耳カビ」は正式には「外耳道真菌症」というそうです。

耳の入り口から鼓膜までのあいだを外耳道といいます。

その外耳道を、耳かきのし過ぎなどで傷つけたり、イヤホンにかぶれて湿疹ができたりしていると、そこに真菌(カビ)が感染してしまうことがあるそうです。

これが外耳道真菌症といわれる病気。

とくにイヤホンを長時間使っている人は、耳の中が蒸れてカビが繁殖しやすい状態になってしまうのだといいます。

 

耳だれ、臭い、痛み・かゆみに注意

臭いのある耳アカや耳だれが出たり、耳の中がかゆい、痛むなどの症状があるときは、外耳道真菌症を疑ったほうがよさそうです。

悪化すると耳のふさがった感じや難聴をともなうことがあるそうですから、ちょっとした耳のトラブルと見過ごさないことが大事。

早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

 

イヤホン難聴にも注意を

ところで、以前も当コラムで扱いましたが、イヤホンやヘッドホンを大音量で使用していると難聴になるリスクがあり、WHO(世界保健機関)では、「85デシベルで8時間、100デシベルで15分を超えると耳の機能を損傷する恐れがあると」として「音量を下げたり、連続して聴かないよう休憩をとったり、日常スマホなどオーディオ使用を1日1時間までに制限すること」などを勧告しています。

イヤホンの使用は耳カビだけでなく、難聴リスクもあげてしまうので、使い過ぎない心がけが必要のようです。

音楽やゲームに夢中になっているときは、つい長時間イヤホンつけっぱなしにしてしまいがちですが、思わぬ耳のトラブルを招かないよう、注意したいものですね。

 

 

<参考資料>

*「家庭医学大事典」(小学館)

 

<参考URL>

*「外耳の炎症」(長崎新聞健康欄/長崎市医師会)

http://www.nagasaki.med.or.jp/n-city/health/health.html

 

*「若者の難聴リスクに警鐘」(日本WHO協会)

https://www.japan-who.or.jp/event/2015/AUTO_UPDATE/1503-1.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。