
がんと生活習慣の深い関係
今や年間100万人ががんにかかる時代。
がんは、現代の国民病ともいわれるようになりました。
がんに対する研究が進み、がんは生活習慣とかかわりが深いことがわかってきました。
がんは「生活習慣病」の1つ
多くの研究から、がんの発病にはライフスタイルが大きく関わっていることがあきらかになっています。
がんは生活習慣病の1つでもあるのです。
生活習慣の違いで大きな差
厚生労働省の研究班による大規模追跡調査の結果では、喫煙、飲酒、肥満度など不健康な生活習慣が集積したグループと、健康グループでは、がんになる確率に大きな差が出ました。
では、どんな生活習慣ががんと結びつきやすいのでしょうか。
科学的根拠に根ざしたがん予防ガイドライン「日本人のためのがん予防法」では、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染の有無を検査する」の6つのポイントをあげています。
喫煙は多くのがんと関わりが深い
がんの発症因子のなかでも、大きな影響を及ぼすのは喫煙だとわれています。
さまざまな研究から、喫煙は、肺がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、鼻腔(びくう)・副鼻腔がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱および子宮がんと因果関係があることがあきらかになっているそうです。
そのほか、男女ともに感染(肝炎、子宮頸がん、ピロリ菌など、飲酒、過体重、塩分摂取、野菜不足・果物不足、運動不足などがリスク要因としてあがっています。
がんを遠ざける「5つの健康習慣」
「日本人の中のがん予防」では、「5つの健康習慣」として、以下のことを提言しています。
(1)禁煙する。
(2)節酒する。
(3)食生活を見直す(減塩する、野菜と果物をとる、熱い飲み物や食べ物は冷ましてからとる)。
(4)適正体重を維持する(やせ過ぎ、太りすぎに注意)。
(5)身体を動かす。
こうした生活習慣をあらためることで、男性はリスクが43%、女性はリスクが37%低下するという推計が示されています。
また、感染症に関しては、(1)一度は肝炎ウイルスの検査を受ける、(2)機会があればピロ菌感染検査をすすめています。
若い世代に多い子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルスの感染が知られていますから、定期的に子宮頸がん検診を受けることをおすすめします。
できることから少しずつ
「これをすれば、がんにならない」という画期的なものは、残念ながらないようです。
けれども、がんは生活習慣病の1つ。
タバコやお酒、食事や運動などの生活習慣に気をつけることで多くのがんを予防することができるといわれています。
日ごろの生活習慣を振り返って、がんを遠ざける努力をしてみませんか?
<参考URL>
*「科学的な根拠に基づくがん予防」(国立がん研究センター)
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html