「孤独」は健康をも左右する?
単身世帯が増えているらしい。
2015(平成27)年現在、日本では約1,842万人もの人が1人で暮らしているといいます。
そんな折、イギリスでは「孤独担当大臣」を新設したとか。
なんでも「孤独」は健康に悪影響を及ぼすというのですが……?
1人暮らしの傾向は高齢者だけではない?
日本の人口の14.5%が単身世帯(平成27年国勢調査)といいますから、国民の7人に1人が
1人暮らしということになります。
全世帯の34.6%を占めています。
1人暮らしは「高齢者」の問題かというとそうでもないようです。
多くは20代/30代の若い世代です。
そんな彼らもいずれは結婚、出産などによって2人以上の世帯を構成するので問題はない……
かつてなら、そんなところに意見は落ち着いたのでしょうが、
最近は「結婚しない・できない」若者の増加もあって、
1人暮らしが高齢者の問題とばかりは言い切れないようです。
推計では2030年には単身世帯は2,025万人で全世帯の37.9%に上昇するというのです
(国立社会保障・人口問題研究所)。
「孤独」は喫煙と同じくらい有害?
では、1人暮らしは孤独なんでしょうか。
もちろん1人暮らしイコール「孤独」と断定できないのはいうまでもないのです。
ただイギリス政府がこのたび孤独担当大臣を設けたのは、新聞などの報道によると
「イギリスの人口約6500万人のうち、年齢を問わず約900万人以上が常時、
あるいは頻繁に孤独を感じている」という現実に対処するためだといいます。
人口の14%もの人が話し相手もおらず、会話もしていない「孤独」をかかえているのは、
やはり無視できないと思います。
経済的な損失も大きいようです。
孤独は健康にも影響を及ぼすようです。
「孤独は1日にタバコを15本以上吸うのと同じくらい健康に害がある」といった報道もされています。
肥満やがん、認知症や高血圧、免疫力の低下などを招くおそれがあるとも指摘されているようです。
「孤独」「憐憫」が漂う男の「おひとりさま」
「孤独は現代生活の悲しい現実」……。
イギリスのメイ首相が語ったように、様々なインターネットサービスによって、
一見多くの人とつながっているように見えて、じつは孤立や孤独をかかえてしまうのが
「今」という時代なのかもしれません。
でも1人暮らしをしていても孤独ではない人もたくさんいます。
「おひとりさま」という言葉が流行語になって久しいですが、
孤独とは無縁のこの言葉のパワーはいまだ衰えていないようです。
逆に男性の「おひとりさま」には、「孤独」とか「憐憫」といった二文字がなんとなく
つきまとっているような……なんて考えてしまうのは偏見でしょうか。
そんな男性向けに『男おひとりさま道』(法研)という上野千鶴子さんの著書があります。
1人暮らしの参考にいかがでしょうか。
<参考資料>
*「英が『孤独担当相』新設」(東京新聞2018.1.18)
<参考URL>
*「英国、孤独担当大臣を新設」(朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASL1L12BGL1KUHBI04N.html
*「英政府、『孤独担当大臣』新設」(BBCニュース)
http://www.bbc.com/japanese/42728308
*「明日への統計2017」(総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/info/guide/asu/2017/index.html
*「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2018/hprj2018_gaiyo_20180117.pdf
*「単身急増社会を考える」(みずほ情報総研)
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/2017/seikyo1703_01.html