プラスコラム
PLUS COLUMN

スマホ利用が原因? 特有の体調不良

スマホ老眼にスマホ腱鞘炎……

スマホの使い過ぎによる体のトラブルがさかんにいわれはじめました。

いまでは生活に欠かすことのできないスマートフォンですが、

どんな体調不良を引き起こすのか、あらためてまとめてみました。

思い当たる症状ありますか?

 

日本人の8割近くがスマホユーザー。体調不良も?

VDT症候群という言葉を聞いたことがありますか?

Visual Display Terminalの頭文字をとって名付けられたものだそうですが、

パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間、見続けることで引き起こされる目や体の不調のことです。

最近はパソコンがないと仕事にならないという人がほとんどでしょうし、

個人的な場面ではスマホがないと生活できないという人もかなりの率になると思います。

 

実際、総務省の「情報通信白書平成28年度版」によるとスマホの世帯保有率は72.0%(2015年)で、統計を取りはじめた2010年の9.7%に比べてなんと7倍以上の伸びです。

反面パソコンの普及率は2009年の87.2%をピークに2015年は76.8%に減少……とはいっても私たちの毎日はかなりの割合でパソコンやスマホに依存しているわけで、

さまざまな体の不調がでてくるのも当然の帰結といえるのかもしれませんね。

 

とくに最近はスマホによる体調不良がよくいわれます。

でもパソコンもスマホも利用目的にそんなに大きな違いはないと思うのですが、ことさらスマホがやり玉にあがるのはなぜか? 

どうもスマホの画面の小ささや操作するときの姿勢、利用時間などに体調不良の原因がありそうです。

 

笑えない現実か……スマホの使い過ぎで老け顔に?

スマホの使い過ぎによる体調不良にはどんなものがあるのでしょう。

 (1)スマホ首(首の筋肉がこりかたまる)

 (2)スマホ指(指の変形や痛み)

 (3)スマホ巻き肩(肩こりや痛みを伴い、肩が前に出てしまう姿勢)

 (4)スマホ不眠(眠れない、なかなか寝付けない)

 (5)スマホ腱鞘炎(指や手首の関節が痛む)

 (6)スマホ老眼(手もとの文字などが見えにくい)

 (7)スマホ顔(頬やあごの皮膚がたるむ)

 (8)スマホ口臭(唾液の分泌が減少して口臭が強くなる)

などがあります。

こうしてみるとスマホって、使いすぎによるリスクがかなりあるなぁ、というイメージですね。

 

この不調のどれも、ふだんは、それが体の不調かどうか見過ごしてしまったり、あまり意識しないようなことばかりですが、

放っておくとバネ指や本当の腱鞘炎になったり、老け顔になったり、睡眠負債を招いたり……といったことにもなりかねないということですね。

スマホ老眼も若い人に急増中らしく、放置すると、めまいや吐き気、不眠やうつにつながる可能性もあるのだとか……。

 

なかでもスマホ顔のリスクについては女性にはかなりのショックかも。

ピップ(株)の調べでは、20代女性の75%、30代女性の65%が平日1時間以上スマホを利用しています。3時間以上のヘビーユーザーは20代女性の17.5%、30代女性の12.5%もいます。

 

スマホが手放せない女性は、鏡による顔チェックは欠かせない日課になりそうですね。 

スマホに夢中になるあまり、ある朝、気づいたら老女になっていた……

そんな悲劇的結末は避けたいですよね。

 

便利の陰に潜む落とし穴には、くれぐれもご用心……ということでしょうか。

 

 

<参考資料>

*「『スマホ老眼』若者に急増」(東京新聞2017・10・17)

 

<参考URL>

*「使いすぎに注意!スマホの使用による健康への影響」(総務省総合通信局)

http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/mymedia/28/0531.html

 

*「家庭教育情報紙共育いちい/ネットの上手な利用法(4)」(鳥取県日南町教育委員会)

http://www.town.nichinan.tottori.jp/system/site/upload/live/2684/atc_1464261342.pdf

 

*「情報通信白書平成28年度版」(総務省)

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h28.html

 

*「スマホによる体調不良」(ピップ(株))

http://www.pip-club.com/enjoy/smaphomakikata/index.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。