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ドクター相談室「貧血の克服方法について」

 

血液を見たり、婦人科系の話をすると、具合が悪くなり貧血を起こしてしまいます。病院での採血時や、婦人科での内診前にもこのようになってしまうことがあり、このままでは妊娠、出産も出来ないのではないかと不安です。克服できる方法があれば教えて下さい。

 

 

ふとしたときに立ちくらみを起こしたり、朝礼で顔面蒼白になって倒れたり・・・女性に特に多いこうした症状は、「貧血を起こす」とよく言われますが、本来、「貧血」というのは血液中の赤血球数が少ない状態。この「貧血を起こす」といわれる“めまい”は、「脳貧血」によることが多いのです。

 

まずは、「貧血」と「脳貧血」の違いを説明しましょう。

「貧血」とは、血液成分のうち赤血球数が異常に少ない病気です。その90%は、鉄不足により赤血球が正常に作られない「鉄欠乏性貧血」。全身へ酸素を運ぶ赤血球が不足すると、心臓から遠く、かつ酸素に敏感な脳が酸欠状態になり、めまいや立ちくらみを起こします。さらに、心臓にも負担がかかると、「心不全」になり、突然死の危険も出てきます。

「貧血」かどうかは、血液検査で調べれば分かります。「鉄欠乏性貧血」以外にも、からだのどこかで出血しているのが原因で起きる「二次性貧血」という病気もあり、癌や胃潰瘍が隠れていることもあるので、注意しなければなりません。

月経がある成人女性は、成人男性の2倍もの鉄分が必要。もし気になるようなら、一度、クリニックで調べてみてくださいね。

 

つぎに、「脳貧血」、正しくは「起立性低血圧症」と言います。もともと低血圧の方が自律神経のコントロールがうまくいかなくなったときに、血圧が低くなりすぎて、脳が血液不足になるのが原因です。

ご相談では、血液を見たり、婦人科の内診前に具合が悪くなるようですが、採血や診察はあなたの想像以上にストレスがかかり、自律神経が乱れるため、この「起立性低血圧」になっているのではないでしょうか。

「低血圧」と言われたことはありませんか?疲れやすかったり、手足が冷えたり、肩こりがひどかったりはしませんか??

 

「低血圧」は、原因がない場合は、動悸や息切れなどのつらい症状がなければ全く心配はいりません。

しかし、ライフスタイルを改善して、血液循環を強化することは大切です。(1)水泳やウォーキングなどでかるい全身運動を行う(2)栄養バランスのとれた食事を三食きちんと摂る

(3)十分な睡眠を心がける (4)お風呂をあがるときに冷水をかけて自律神経の働きや血液循環を高める。こんなことで、「起立性貧血」は少なくなってくるかもしれません。

 

子供は宝物。一児の父である私は日々そう思います。まだ30代前半なのですから、妊娠も出産も笑顔で迎えられるといいですね。

プロフィール

安田 洋 先生
安田 洋 先生

目黒通りハートクリニック 院長

東京内科医会理事

医学博士

循環器専門医

 

目黒通り沿いに「目黒通りハートクリニック」を開院。

専門の循環器・呼吸器だけでなく、心療内科・ピル外来・AGA/ED外来などいろんな病気や悩みに対応できる診療を提供。

http://meguro-heartclinic.com/

http://pp.meguro-heartclinic.com/