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女性の不調を招く「隠れ貧血」 毎日の食事が不調解消のカギを握っています

鉄不足は、だるい、疲れやすいといった不調だけではなく、集中力がなくなる、うつっぽくなるなど心の不調まで招いてしまうことを前回紹介しま した。さらには、月経前症候群の原因になるともいわれていますから、「たかが鉄不足」とあなどれません。今回は、鉄不足の対策をご紹介します。

 

こんな食生活が深刻な鉄不足を招いていた

女性が鉄不足に陥る原因の第一は、毎月の生理によって血液を失うことがあげられます。健康な女性が、毎月生理で失われる鉄は20~30mgといわれていますから、補わなければ体内に貯蔵している鉄は減る一方です。
日本人女性が1日に必要とする鉄分の量は、12mgとされていますが、実際の摂取量は8mg以下という調査もあります。
あなたは、貧血になりやすい食生活を送っていませんか?下記の項目をチェックしてみましょう。
 

鉄不足を招く食生活

□ 現在ダイエット中で食事制限をしている。
□ 健康が気になるので野菜中心の食事が多い。
□ 朝食は食べないなど、1日3食きちんと食べることが少ない。
□ お昼はおにぎりとカップスープ、野菜サラダなどですませてしまうことが多い。
□ ファ―ストフードやコンビニ弁当、レトルト食品をよく食べる。
□ 好き嫌いが激しく偏食がちである。
□ お菓子大好き。お菓子でおなかがいっぱいになることがよくある。

結果はいかがでしたか?1つでもチェックがついた人は、健診で「貧血」と判定されていなくても「隠れ貧血」である可能性が大。不調の陰には、食生活の偏りからくる鉄不足があったのです。
  

肉や魚も食べて、3食バランスよく

貧血には、日常的な鉄分の補給が不可欠。そのためには、毎日の食生活がポイントになります。
ダイエットや欠食をしていると、1日に必要な鉄分をとれません。また、ヘルシー志向から野菜中心の食事の人もいますが、肉や魚を食べなければ、鉄分をはじめ、美肌づくりに欠かせないたんぱく質も十分にとることができません。
 

肉や魚などの動物性食品には、吸収率のよい鉄が豊富に含まれています。小松菜やホウレンソウなど鉄が多く含まれる植物性食品やヒジキ、切り干し大根などの鉄を多く含む乾物をくみあわせてとることを心がけましょう。
不調解消には、いろいろ栄養素をバランスよくとることが大事。毎日おいしく食べて、「貯蔵鉄」を増やしましょう。
 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。