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ブルーマンデーを防ぐには、休日の起床時間がモノをいう

休み明けは大事な会議。明日に備えて夜は早めにベッドに入ったのに、なかなか眠れない。困った!・・・こんな経験はありませんか?

実は、眠くなる時間は、その日の起きた時間によって決まります。休日はつい朝寝坊をしがちですが、その朝寝坊が週明けの体調に大きな影響を与えます。
今回は、入眠リズムをつくり体内時計を調節するホルモン「メラトニン」のお話です。

 

朝日を浴びた時間が、眠気の時間を左右する

私たちのからだにある「体内時計」や「眠り」に大きくかかわっているものに「メラトニン」があります。
メラトニンは脳の松果体(しょうか たい)というところから分泌されているホルモンで、昼間は光の刺激によって分泌が抑えられていますが、夜になると盛んに分泌されます。メラトニンが分泌さ れると、脈拍や血圧、体温などが下がって、からだは休息に適した状態へと導かれるのです。そうして体温が低くなると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現 します。
 

朝日が昇ると急激に減少し、夜間に活発に分泌されることからメラトニンは、「ドラキュラホルモン」とも呼ばれているそうです。

おもしろいことに、メラトニンは朝日を浴びてから、だいたい16時間後くらいに分泌されるといわれています。つまり、朝7時ごろに起きて朝日を浴びれば、夜11時ごろにからだが入眠モードに突入し自然な眠気が訪れてくるというわけです。
メラトニンはまた、朝日を浴びることで体内時計を調節する作用があると考えられています。
 

少し話はそれますが、人間には、もともと25時間周期の体内時計が備わっているといわれています。25時間周期の体内時計は、毎朝、太陽の光を浴び ることによって24時間周期へとリセットされるのです。ですから、いつまでも夜更かしをしていたり、夜も強い光を浴びるような生活を続けていると、体内時 計がズレてメラトニンが十分に分泌されません。その結果、不眠などの睡眠障害が起こってきます。
また、メラトニンは強力な抗酸化作用がありますから、メラトニンの分泌が減るということは美肌やアンチエイジングにも影響が出てくるといわれています。

 

「休日もいつもと同じ時刻に起床」で、すっきり月曜日を迎えよう

目覚まし時計で起こされることもなく、ゆっくり眠れる休日は幸せそのものです。けれども、たとえば毎朝7時に起きるのに休日に限って昼ごろまで寝ていると、睡眠リズムに5~6時間の時差が生じます。海外に行ってもいないのに時差ボケと同じ状態になるといいます。
朝起きると頭が重くて、ぼんやり。眠ったのに疲れがとれずにイライラ・・・ブルーマンデーの正体は、このような時差ボケがもたらす疲れやストレスなのかもしれません。
 

専門家によるとこの時差ボケ状態を解消するのに3日くらいはかかるといいます。週の半ばを過ぎて木曜日ごろにようやく本来のからだのリズムにもどっ たころ、また金曜日が来て夜更かし状態に。日ごろの睡眠不足を解消しようとして休日は朝寝をしたくなる・・・こんな負のスパイラルに陥っている人も多いこ とでしょう。

睡眠の専門家は、休日もできるだけ一定の時間に起きること心がけ、休日に朝寝をしてもふだんの日とせいぜい2時間以内の差にとどめることをすすめています。

深夜まで飲んだ日は、カーテンをあけっぱなしにして自然に光が入る状態にして寝ることをすすめる専門家もいます。
休日は上手に眠って、気持ちの良い月曜日を迎えたいものですね。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。