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心が癒され健康にもよい影響を与える―ペットと暮らす幸せ疑う

前回は、人と人との絆や信頼感、愛情を深めるホルモン「オキシトシン」の話しをしましたが、今回はペットとの共生についてのお話し。
オキシトシンは人と人との触れ合いだけでなく、ペットと暮らすことでも活発に分泌されることがわかってきました。
 

飼い主と犬は、見つめ合うことで絆ホルモン・オキシトシンがUP

ペットとの触れ合いは人を癒し、幸せな気分にさせてくれるといわれていますが、実際に麻布大や自治医科大などの研究チームによる実験で、脳内のオキシトシンレベルが上昇することがあきらかになりました。

行われた実験は、犬とその飼い主に30分間触れ合う様子を観察し、実験前後の飼い主の尿に含まれるオキシトシンの濃度を判定するというもの。

実験の結果、犬が飼い主を見つめる時間が長いほど飼い主のオキシトシンの濃度が大きく上昇したことがわかりました。そして、飼い主のオキシトシンが 上昇しているとき、犬にもオキシトシン濃度の上昇が見られたそうです。飼い主と犬は、互いに見つめ合うことで、オキシトシンの分泌が活発になり、愛情と絆 が深まることが証明されたのです。

ペットを飼うと健康で長生きになる?!

それだけではありません。ペットとの共生は人間が健康的に暮らすために有用であることが国内外のさまざまな研究からわかっています。

たとえば、「よし、よし」と犬を撫でる行為。これを15分から30分行っていると飼い主の血圧が10%も下がるのだそうです。
また、犬と一緒に散歩に出かけている女性は、そうでない女性に比べ、健康寿命が延びるという報告も。犬に限らず、ペットと触れ合うことで、孤独感や疎外感がやわらぐ、心拍数が安定する、睡眠障害が少なくなるなど、精神的・肉体的に多くの効用があることが報告されています。

このようなことから、医療現場でアニマルセラピーが取り入れられるようになりました。そして、最近では介護の現場でも、高齢者の症状緩和などを目的としてアニマルセラピーが導入されています。

ペットと一緒にいると愛情ホルモン・オキシトシンに満たされて、健康増進にも役立つ……心にも体にも幸せを与えてくれるかわいいペットに感謝ですね。

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