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疲れの漢方2

暑い暑い日々がうすれていくと、なぜかさびしく感じます。
これからは夏から秋に季節が移ろう時ですね。
秋は一年の中で一番感覚が研ぎ澄まされる季節です。
自然や芸術に触れて、感覚を磨いてくださいね。

 

前回のコラムから少し時間がたってしまいましたが「疲れの漢方」、続きをお届けいたします。

夏のお疲れもたまってきているこの頃ですが、前回の「疲れ」、みなさんはどのタイプでしたか?

今回は対処法についてです。

 

げっそりタイプ <気虚(ききょ)・脾虚(ひきょ)タイプ>

疲れやすく、疲れることをしなくてもくたびれる。何をするのも面倒。 胃腸の働きが弱い。
「氣」という生命エネルギーが消耗した状態。

 

■対処法

「氣」を補う食べ物(山芋・大豆・まいたけ・しいたけ・もち米・小麦など)
・温かいもの・旬のものをゆっくり、食べましょう。
自然と触れ合う。大地から空からのエネルギー(氣)をいただく。
無理をせず、頑張りすぎず、ほどほどの今を受け入れる。

 

ばったりタイプ  <血虚(けっきょ)タイプ>

顔色が青白い、冷え、めまい、皮膚の乾燥、肌荒れ、物忘れ、月経不順、動悸など
血分が不足した状態。

■対処法

血を増やす食べ物をとりましょう。黒ゴマ、黒豆、黒米、プルーン、なつめ、ブルーベリーなどの黒い食べものや人参、クコの実、肉、レバー、ウナギ、ホウレンソウ、小松菜などがおすすめです。
夜更かしをやめて、12時前にはベッドに入る習慣を。
お腹を冷やさないよう半身浴・腹巻も忘れずに。

 

ぐったりタイプ <水毒(すいどく)タイプ>

全身がだるい、 むくみやすい、面倒くさがり、耳鳴り、めまい、頭痛がおきやすい 。
ちょっと動いただけですぐに汗をかく、または全くかかない。
水分代謝が悪い状態。

■対処法

むやみに水を飲みすぎないこと。食べ過ぎも飲みすぎも体に水毒(水分代謝が悪く水がたまってからだに負担をかけていること)をためやすくなります。飲みたいときは、温かいものをゆっくりちびちびと。
水毒を防ぐ食べ物は、小豆、小豆の煮汁、ハトムギ、とうもろこし、大豆、梅醤番茶(梅の果肉をつぶし生姜の絞り汁を少し、醤油を2滴入れそこに熱い番茶を注ぐ)など。



そして、体を冷やさないこと、体を動かすこと。
氣の流れも、血の流れも滞らせないこと、すなわち、こだわらない・手放す・ゆるすこと。

からだとこころはつながっています。
からだが疲れると「こころ」も、疲れてなんにもしたくない。

こころが疲れると「からだ」も疲れてなんにもできない。
 

そんな自分でも、いいんですよ。
漢方はふところが深いからすべてをうけいれて「よしよし」としてくれます。

疲れているのは、けっして悪いことではないのです。
すべて意味があっておこること。
だからすべて必要。
 

どんな疲れか見極めて、少しでも疲れがとれたらいいですね。

どうぞ、対処法を試してみてください。

しあわせになる漢方を学びましょう
 

プロフィール

樫出 恒代
(かしで ひさよ)
樫出 恒代

日本生薬学会・漢方生薬認定薬剤師・漢方アドバイザー
「漢方カウンセリングルームKaon」代表

新潟薬科大学薬学部卒業。自身の体調不良を機に漢方に目覚め、漢方を古典から学び、アロマテラピーを独学で習得。漢方薬とアロマテラピーの融合により、より良い治療または予防ができると確信。1人ひとりのこころとからだにていねいに向き合うことをモットーに、現在、「ジュノ ウィミンズウェルネス銀座産院・健康院」内の漢方カウンセリングルームKaonで漢方カウンセリングと、オリジナルのバイタルフットヒーリングによるケアもおこなっている。
よりたくさんの方に漢方の良さを伝え、元気な毎日を送ってもらうための活動として、東京・新潟などでセミナーを行なっている。美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)

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