プラスコラム
PLUS COLUMN

春のゆらぎ肌のヒミツ

いや~、今年の冬は乾燥が激しかったですね。風邪やインフルエンザが長引いた人も多かったのでは?多少温かくなった今も、乾燥からくる敏感肌に傾いている人も多いはず。
前回、肌のバリア機能の話しをしましたね。


肌のいちばん表面にある0.02mmと極薄の角層は、肌内部の水分の蒸散を抑えると同時に、外的刺激から守る、鎧みたいな役目をしています。この角層は皮脂膜(自分の皮脂や水分が混ざった天然の保護膜)や角層の細胞の間をつなぎ止めているセラミドなどの脂質で守られているのですが、肌が乾燥すると、皮脂膜や脂質が奪われやすくなり、肌の水分がどんどん出ていき、外的刺激も侵入してきて、炎症を起こし敏感になるのです。痒くなって掻いてしまうと、炎症はさらに悪化してしまいます。
さらに、春先からは紫外線が強くなり、花粉も飛んでくる。気温が高くなると雑菌も繁殖しやすくなるなど、バリア力が衰えている肌にとっては、冬よりも敵が増えるのです。


すると結果として、春は状態が不安定な「ゆらぎ肌」が増える。
それを防ぐためにも春本番前に肌のバリア機能を普通の状態に戻しておきたいのです。
冬から続く乾燥によるピリピリがひどいうちは、ワセリンなどでフタをして、とにかく肌を落ちつかせる。でも、ちょっと落ちついたら、セラミドやアミノ酸配合の化粧品で朝からしっかり保湿をしてくだささい。ちなみにセラミドは肌のバリア機能や水分保持機能を積極的に改善する作用があり、アミノ酸は細胞をふっくら整えてくれる成分です。

もちろん、肌に違和感がなければ、敏感肌用や低刺激コスメを選ばなくてもOK。普段愛用のものをつかってください。


さて皆さんは朝より夜にたっぷり保湿するものだと思っていませんか? 確かに夜は肌が修復される時間なので、それに合わせて栄養を与えたお手入れするのは効率的。でも肌が乾燥したり紫外線や雑菌のダメージを受けるのは日中なのです。日中の肌が潤っていないと、受けるダメージは倍増します。私は朝の保湿を重点的にするようになってから、超乾燥肌からノーマル肌に近づきました。ノーマル肌っていうと普通というかんじですが、実は、バリア機能が整ったとてもいい状態の肌のことで、見た目にも滑らかできれいなんです(私も肌がキレイと言われるようになりました!自慢ですスミマセン笑)。


朝は化粧水だけ、という人も多いかもしれませんが、ダメージに強い肌に整えるためにも、ぜひ乳液や美容液、オイリー肌でないなら軽いクリームまで塗ってほしいと思います。続けていくときっと肌のバリア機能が復活すると思いますよ。

もうひとつ、春先に気をつけてほしいのが洗顔です。花粉やほこりが肌にくっつくと、痒くなるので、頻繁に洗ってしまいがちですが、せっかく保湿をしても、肌表面の皮脂膜や、脂質まで流出することもあり、肌のバリア機能が復活できません。とはいえ、乾燥で敏感になった肌は、自分の汗でも痒みをおぼえたりするものです。汗はこまめにハンカチでおさえ、どうしても洗いたいなら、洗顔料は使わずすすぐだけでも、肌表面の汚れは十分に落ちます。乾燥、ゆらぎ肌は、決して洗浄力の強い洗顔料を使わないことが大切で、夜はクレンジングだけですませ、洗顔は見送る。朝も、べたついていないなら、ぬるま湯ですすぐだけでもOKです。
春先は肌をいたわり復活させる時期だと思ってスキンケアをしてね。

 

プロフィール

山崎多賀子
(やまざき たかこ)
山崎多賀子

1960年生まれ。
会社員、女性誌の編集者を経てフリーに。雑誌やwebなどで美容、健康記事や美容ルポルタージュ、エッセイなどを手がけ、各誌で活躍。2005年に乳がんが発覚、2006年から女性誌に闘病記を掲載し話題に。
また、美容ジャーナリストという職業と闘病経験を活かし、乳がん治療中もいきいきとキレイでいられるためのメイク法や検診の重要性などを各地で講演。
著書に『「キレイに治す乳がん」宣言!』(光文社)、『山崎多賀子の極楽ビューティ体験記』(扶桑社)がある。
NPO法人キャンサーリボン理事。NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター。

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