プラスコラム
PLUS COLUMN

夏のアイカラー

太陽の日差しが強くなってきましたね。日中はまぶしいほど明るく、汗ばむ陽気。夏になると、ブルーなどの寒色系のアイカラーがよく売れます。その理由は、顔が涼しげに見えるから、にほかなりません。アイカラーは、色の印象がそのままその人の印象にプラスオンされるもの。


たとえばブラウン系ならナチュラルに。ピンクならスイートに。オレンジならヘルシーに、パープルならエレガント。グリーン系は明るくエネルギッシュに。そしてブルー系はクールで爽やかでカジュアル。つまり、ピンクのフリルのワンピースなのか、ダークスーツなのか、アイシャドウはファッションと同じ役目をしているわけです。
アイラインやマスカラが目ヂカラ強化のアイテムなら、アイシャドウは、イメージを着るアイテム、といえるかもしれません。

 

そして色は温度とも関係します。ピンクやオレンジ、ブロンズ、パープルなどの暖色系は温かいイメージ。かたやブルーやグリーン、シルバーなどの寒色系はクールなイメージ。だから、熱い夏はピンク系のまったり甘い色だと重たく感じられ、つい涼しげな色をつけたくなるんですね。


かたや、エネルギッシュな夏をアクティブにワイルドに楽みたい、というなら、暖色系のなかでもギラギラした光沢のブロンズ系をチョイスするというのもステキ。アイカラーは自分をどんな女を装うかでチョイスすると、楽しいのです。

さてここで、アイカラーとアイシャドウは違うの?と思うかもしれません。これはどちらでも同じで、まぶたに塗るものをアイシャドウと呼ぶことが一般的に多いですよね。アイシャドウはその言葉どおり、まぶたに肌より暗い色をつけて影にみせることからそう呼ばれています。ただ、現在のアイシャドウは、肌よりトーンの暗い影色(シャドウカラー)と明るい色(ハイライトカラー)がミックスになっているので、総称してアイカラーと呼ばれることが多くなっています。

 

シャドウカラーとハイライトカラーは、その言葉通り、まったく逆の働きをします。つまり、シャドウカラーを塗った場所は凹んでみえて、ハイライトカラーを塗った場所は凸んでみえる。これらを駆使して目元を立体的に見せることができるわけです。
ただし、使い方を間違えると、アイカラー効果が発揮されないことも。
シャドウカラーは日本人の若い女性のアイホール(眼球の周りの窪み)がパンと張っているならば、広い範囲にシャドウを伸ばすとまぶたがすっきり見え、ハイライトを入れてしまうとさらにまぶたが張れてみえる。しかし年齢が上がり、まぶたのアイホールが窪んでいるところにシャドウカラーを入れると、げっそりしたり老けて見せる心配があるので、ハイライトカラーでまぶたをパンと張らせてみせたほうが得策です。


自分のまぶたの凹凸を計算しながらアイカラーを楽しんでください。

また、アイカラーも目ヂカラ強化と目を大きく見せる効果があります。たとえば、2色のアイシャドウを使う場合、淡い色を二重の内側に。濃い色をシメ色としてアイラインのように細く使うと、アイラインの変わりにもなりますし、アイシャドウが入っている場所まで目が大きく見えます。また濃い色をまつ毛の上に幅だしすると目が丸くみえ、目尻側に濃い色のボリュームをもってくると横幅が出て切れ長効果が得られます。色と一緒に、どんなイメージになりたいかで配色のバランスを変えると。違った自分を楽しむことができます。

 

丸い目に見せる入れ方
キレ長の目に見せる入れ方
 

さらに色選びですが、今は光沢の技術が日進月歩で進歩していて、一見同じ色に見えても、実際に肌にのせると全然違うということがよくあります。そして新しい技術で作られた透明感のある発色は、時代に適して洗練されています。あら、この色持っているわ、と、数年前に買って引き出しに入っているものと思ったら大間違い。はっきりいって、5年以上前のアイカラーは発色や光沢が全然違うはず。アイカラーは見た目だけでは発色が分からないので、必ずテスターで色を確かめることです。

なんとなーくアイカラーを塗ってもキレイに見えません。アイカラーこそ戦略的に使ってこそのコスメってこと、覚えておいてね。

プロフィール

山崎多賀子
(やまざき たかこ)
山崎多賀子

1960年生まれ。
会社員、女性誌の編集者を経てフリーに。雑誌やwebなどで美容、健康記事や美容ルポルタージュ、エッセイなどを手がけ、各誌で活躍。2005年に乳がんが発覚、2006年から女性誌に闘病記を掲載し話題に。
また、美容ジャーナリストという職業と闘病経験を活かし、乳がん治療中もいきいきとキレイでいられるためのメイク法や検診の重要性などを各地で講演。
著書に『「キレイに治す乳がん」宣言!』(光文社)、『山崎多賀子の極楽ビューティ体験記』(扶桑社)がある。
NPO法人キャンサーリボン理事。NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター。