プラスコラム
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アイメイク主流といえどオンナ度を決めるのは唇です

ここ数年、つけまつ毛やまつ毛のエクステ、囲みアイライナーなど、目をくっきりバッチリ強調する目ヂカラメイクが主流ですね。その勢いは衰える気配がありません。
確かに目の縁をくっきりさせると、それだけで自己主張ができ、イキイキした印象をアッピールできます。この目ヂカラ効果については次の機会に詳しく解説しますが、今回は、アイメイク流行りの影に隠れるリップメイクについて書きますね。

 

私が若いころ(すみません、昔話です)は、メイクの主役は誰がなんといおうと口紅。女子たちはこぞって華やかなローズやピンクのリップをつけ、いいとこのお嬢様風を装っていた時代でした。実際にその色をつけるとワンランク上の女になった気がしたから、不思議です(笑)。
ディオールのピンクやサンローランのヒューシャピンクなど、「永遠のルージュ」と呼ばれる色番が大流行。普段使いはナチュラルでも、パーティなどは鮮やかな口紅をひき、気合いを見せつけたものです。そして、誰のためのメイクかといえば、百%男性の視線を意識していた。つまり 勝負口紅だったわけです。ああ、懐かしい。

 

ところがところが、時代は変わるもので、今やリップはベージュ系などの超ナチュラルカラーが主流。だいたい強いアイメイクに、強い色の口紅を合わせると、顔がくどい!濃い!重たい!TOO MUCHなかんじは、軽やかで自由な感覚がオシャレな時代に、古くさいとさえ思える。だから、目を強くしたら、唇は軽く、というバランスが洗練されて見えるんですね。実はメイクバランスって、その時代の空気感と連動しているんです。

唇の形だってそうです。昔は控えめなおちょぼ口(小さい口)が美しいとされていたけれど、今は自己主張のある大きめの唇が人気ですよね。これは男性の影に控えていた淑女が社会進出を果たし(この時代はリップラインをきっちりとり、唇でデキル女を演出していた)、今は男性に媚びる必要もなく、女性が女性であることを全面的に楽しんじゃおうという時代の流れなんだと思います。

 

だから、アイメイクが主流といって、リップが手抜きでいいわけではない。むしろ、色が控えめなぶん、微みょ~な自己表現が重要なんです。

目が強い意志を表すパーツならば、唇は清潔感とか、女の情とか色香を表現する場所。たとえば、ぽってりした唇の女性は情に厚くセクシーに見えるでしょ。逆に唇が薄いとコンサバに見えますよね。

そこで、ベージュやピンクベージュのように色自体はクールな代わりに、グロスでたっぷりの艶をだすのが人気なわけです。色はナチュラルで頑張った感をみせない。その代わりグロスでみずみずしく、イキイキ、さらに唇をぽってりさせてセクシーなアッピールも忘れない。いわゆるカッコカワイイ。エロカワイイ作戦。柔らかそうでおいしそうな唇。色で媚びないぶん、手が込んでますよね。

 

グロスで艶やか唇グロスなしマット唇

 

とはいえ、濃い色の口紅を否定するわけではもちろんありません。華やかな口紅をつけるといい意味での緊張感が生まれ、背筋がのびますから。ただその場合、アイメイクはモノトーンにするなどして、色の喧嘩をさせないバランスが品がいい。

また女性の唇で怖いのは、きちんとしているとか、だらしないとか、性格を語ってしまうパーツでもあること。唇が荒れていたり、リップの色ムラが目立つだけで、不潔感を与えるなど、女度がガクンと下がります。


やっぱり女性は清潔感、大切ですよね~。リップグロスやつややかな発色の口紅は唇の荒れ防止にもなるので、どの年代にもおすすめ。私もグロス効果を知ってから、塗らない日はありません。だって唇がつやつやだと、顔全体が輝いて見えるんですもの。
ただし、グロスになじみのない年代の方々に注意してほしいのは艶の種類です。グロスや口紅でもシルバー系パールの入っていると肌をくすませ、清潔感が半減します。選ぶのは透明かホログラム系、またはゴールド系パールを。見た目は似ていても光の質で全然印象が違うので、テスターなどで実際に塗って確認することをおすすめします。

 

きちんとした印象に見せたいなら、リップラインをきちんと引き、濃い色を選ぶ。カジュアルでオープンマインドに見せたいなら、ラインは使わずグロスで光らせるなど、組み合わせで色々なタイプの女性に変身できるので、色々楽しんでみてくださいね~。

プロフィール

山崎多賀子
(やまざき たかこ)
山崎多賀子

1960年生まれ。
会社員、女性誌の編集者を経てフリーに。雑誌やwebなどで美容、健康記事や美容ルポルタージュ、エッセイなどを手がけ、各誌で活躍。2005年に乳がんが発覚、2006年から女性誌に闘病記を掲載し話題に。
また、美容ジャーナリストという職業と闘病経験を活かし、乳がん治療中もいきいきとキレイでいられるためのメイク法や検診の重要性などを各地で講演。
著書に『「キレイに治す乳がん」宣言!』(光文社)、『山崎多賀子の極楽ビューティ体験記』(扶桑社)がある。
NPO法人キャンサーリボン理事。NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター。