血色アップだけではない!チークのヒミツ
もし、「メイクをひとつのパーツだけしか、してはいけない」、と言われたら、私は断然チーク(頬紅)を選びます。だって、チークの力って本当にスゴイと思うから。ただ、このスゴさに気づいていない人が多いのは本当にもったいない。だから今回はチークマジックのヒミツについて書きますね。
その前にみなさん、そもそもチークを、どういう目的で入れていますか? 顔の血色をよく見せるため? その通り! 頬に赤みを入れると元気に見える効果絶大です。でも、それだけではないんです。入れ方によっては、たるんだ顔を引き締める小顔効果あり。さらに、少女のような初初しさ、清潔感が宿る。そして、普通にしていても優しく笑っているような幸福顔に見えるんです。幸福顔ってだけで、老若男女に好感度大ですからね。こういう効果って他のパーツのメイクでは表現できないんです。
ただし、くり返しますが、入れ方によっては、です。
小顔効果があって、幸福顔に見える場所とはずばり、ニッと笑ったときに筋肉が盛り上がる頬の正面です。アンパンマンのほっぺの場所ですね。
年代によっては、顔の正面にチークを入れたことがない、という人がいるのではないかしら。でも、昔習ったチークの入れ方はこのさいすっぱり忘れてしまってください。
入れ方は、まず頬の正面に丸くぼかすように入れ、そこから頬骨に沿ってふんわりぼかすんです。とにかく、正面の筋肉の部分に入れることがポイント。チークには、血色を与える効果と同時に、入れた部分を高く見せる作用があるので、この位置に入れると頬にふっくらしたハリがでて、笑っているようにみえるんです。
実際に、私の上の顔写真、みてください。頬がふっくらしてハリがあるように見えるでしょ。実際の頬は肉薄でもっと平らなんですが、筋肉の位置にチークを入れているから、ぷりっと盛り上がって見えるんですね。
人は年齢とともに、頬から少女のころのボリューム感が失せ、目から下が平らになります。するとね、目から下の距離が長く感じ、ヌボーッとして無表情に見えます。能面などはまさにそうで、寂しい印象にしてしまいます。
ところがイラストのように、頬の筋肉の位置をチークで高く見せると、顔に凹凸ができるので、キュッと縮んでみえる。さらに正面から頬骨にかけて斜め上へ強調することで、顔全体が引き締まって見えるし、横から見てもリフティング効果絶大。チークを入れたのと入れないのでは、全然印象が違うと思いませんか?
メイクは錯覚を利用するもの。チークの錯覚効果はウルトラ級です。
また、仕上げに、目の下とチークカラーの間にきめ細かいパールが入った白かベージュ系のハイライトカラーをふんわりのせると、肌と頬紅の境界線がぼかせるばかりか、顔にパッと透明感がでてきますよ。またレフ版効果で、目がくっきりするという効果も得られます。最近は、チークとハイライトが両方入っているチークカラーも売られていますので、チェックしてみてください。
最後に頬紅の選び方ですが、まず、キメの細かいパール配合のものを選ぶことがポイントです。微妙なパールのつやが、頬にハリを与え、初々しく仕上げてくれます。
また色に関しては、その色の持つイメージがそのまま顔に乗ると考えてください。たとえば、オレンジなら健康的に。ピンクならガーリーに。コーラル(オレンジピンク)は自然な血色に。そしてローズ系はお姉さんっぽく仕上がります。自分がどういうイメージに見られたいかで色を決めるといいですね。ただし、40代以降はピンクをつけると若作りして見えたり、ローズをつけて老けてみえることがあります。チークは効果があるだけに、色選びを失敗するとしっぺ返しも痛々しいのです。
ちなみに、オレンジ系のチークは、頬のシミの目立ちを軽減するという作用もあります。それは、肌の色素沈着を補色のオレンジが抑えてくれるから。
最近のチークは発色が控えめで、「おてもやん」になることは少ないですが、物によっては色が強くでることもあるので、つける前に発色を確かめて、量調節をしてくださいね。また、正面は多少濃くても許せますが、頬骨を濃くするとたちまち厚化粧にみえます。頬骨はうっすら、というのも鉄則。
チークの効果は、年齢に関係ありません。誰でも簡単に華やかでイキイキした印象になることができる。あなたもチークマジックを体験してください。