プラスコラム
PLUS COLUMN

「カロリー」と「糖質」はどう違う?

外食するときやお弁当を買うとき、気になるのが「カロリー」。

太るなあ……などと食べるのを躊躇してしまうことありますよね。でもその一方では「糖質」の取りすぎが太る原因との見方も。

この2つ、何がどう違う?

 

「カロリー」と「糖質」、なじみ深い言葉だけど…?

 とくにダイエットを気にしていない人でも、コンビニでお昼の弁当を購入するときや、近所の食堂で晩ご飯を食べようとしているときなどに、「このカツサンドと親子丼弁当のどっちがカロリー多いんだろう?」とか、「ハンバーグ定食のカロリーは?」などと考えたり、迷ったりしませんか?

 また、なかには「ダイエットするなら糖質制限がいいと聞いたけど、カロリー制限と何が違うんだろう?」と疑問に思う人もいるでしょう。

 ふだんから何気なく使っていたり、目にしたりする「カロリー」と「糖質」という言葉ですが、その違いについては「はて……?」と答えに窮してしまうのではないでしょうか。

 そもそも「カロリー」とはなんでしょう? そして「糖質」との関係はどうなっているのでしょうか?

 

「カロリー」は「エネルギー」でもある?

「カロリー」のことを「エネルギー」と呼び変えることもあるように、「カロリー」とは「熱量」を表す単位の1つでもあって、食品では主に「キロカロリー(kcal)」が使われています。

 つまりカロリーは食べ物や飲み物が、どのくらい「体のエネルギーになるか」をあらわす単位であり、数値でもあるといえます。

エネルギーは私たちが体を動かすために必要不可欠な、いわば燃料で、毎日の活動源となるものです。そうした体のエネルギー源として利用できるものを「エネルギー産生栄養素」と呼んでいて、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の3大栄養素がそれにあたります。

 食べ物や飲み物のカロリーは、この3つのエネルギー産生栄養素のうちの、どの栄養素がどれだけ含まれているかによって決まるといわれます。

それぞれの栄養素1g当たりのカロリーは、炭水化物(糖質)が4kcal、タンパク質4kcal、脂質は9kcalと考えられています。

ちなみにアルコールも1g当たり7kcalのエネルギーを生み出すといわれます。脂質に次いで高いエネルギーを産生します。

 

カロリーの摂取を制限するダイエット

 私たちは毎日、食事をしますが、そのときエネルギー産生栄養素である炭水化物(糖質)、脂質(脂肪)、タンパク質からカロリーを摂取します。

ただこのとき食事からとるカロリーと、体が使うカロリーのバランスが悪いと、太りすぎたり、やせすぎたり、生活習慣病のリスクが高まったり、少なすぎて栄養障害のリスクを招くことがあるといいます。

 また食べたカロリーが使い切れず余った場合、体に脂肪として蓄えられます。脂肪がたまり「太ったかしら?」となり、ダイエットを考えたりするようになる人もいるでしょう。

 食事制限でのダイエットで一般的なのはカロリー制限でしょうか。その名の通り飲食物から摂取するカロリーを制限する方法です。

 ただ、野菜中心の食生活になりがちで、タンパク質など必要な栄養が不足して筋肉がつかず、基礎代謝が落ち、逆に脂肪を増やしまうリスクがあるそうです。

 

炭水化物はイコール糖質とも?

エネルギー産生栄養素の1つ炭水化物は糖質と食物繊維で構成されています。糖質はごはん、パンなどの穀類やイモ類、果物、砂糖類に多く含まれます。また食物繊維は第6の栄養素ともいわれ、腸内細菌のエサとなり、免疫や代謝機能を高め、生活習慣病の予防にも効果的とされています。

 食物繊維は人の消化酵素では分解されないためにカロリーはほぼゼロといわれます。そんなことから炭水化物=糖質と考えていいとされます。

糖質は体を動かすエネルギーであるとともに、脳の唯一のエネルギー源でもあるブドウ糖の原料でもあります。

ただ、糖質の取りすぎは血糖値の乱高下を招き、脳の老化などのリスク要因にもなるといいます。

そんな糖質の摂取を控える糖質制限によるダイエットが近年、話題になっているようです。

ごはんやパンなどの穀類の摂取を避けるのが糖質制限の要点ですが、注意すべき点もあるといいます。

 

糖質制限の長期的効用は認められず?

例えば糖質(炭水化物)の摂取を制限することで腸内環境が悪化したり、脳がエネルギー不足におちいり、集中力や判断力の低下、疲労感、倦怠感などを招くといわれます。

また日本肥満学会は「短期的に減量効果は大きいものの、長期的には差が見られないことも多いので、極端な糖質制限は勧められない」と『肥満症診療ガイドライン2016』で述べています。

さらには「低炭水化物食群(糖質制限食)を摂取している人の総死亡率は、そうでない人に比べて31%高い」という研究(国立国際医療研究センター)もあります。

あらためて「食事は偏らず、バランスよく食べ、毎日、適度に運動をする」ことの大切さがよく分かります。

 

<参考>

*「糖質とカロリーの関係は?」(CORE PALETTE by LOTTE/株式会社ロッテ)

*「カロリーについて【基礎編】」(大塚食品株式会社)

*「肥満症診療ガイドライン2016」(日本肥満学会)

*「糖質制限による死亡リスク上昇の可能性 国立国際医療研究センター」(糖尿病ネットワーク)

*「糖質制限食による死亡リスク-メタアナリシスによる検証-」(国立国際医療研究センター研究所)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。