
気をつけて! 夏のダイエットの落とし穴
夏は代謝が落ちてやせにくいといわれていますが、猛暑から食欲不振になってやせたという人も。
「今がダイエットのチャンス」と思う人もいるかもしれません。けれども夏のダイエットには意外な危険が潜んでいるといわれています。
暑い夏、手軽なダイエットに潜むリスク
「スイカダイエット」が話題になっていると聞きます。
ご存知の方も多いと思いますが、数日間スイカをメインに食べるダイエット法です。スイカはカロリーや糖質が少なく水分が多いために満腹感が得られることから、暑い夏にはぴったりのダイエットに思えるかもしれません。
けれどもスイカに限らず1つの食品だけに特化して食べ続けるダイエットには、リスクとデメリットが潜んでいるといわれています。
栄養不足からさまざまな不調が
大きなリスクとして挙げられるのが、栄養不足。毎日同じ食品をとり続けていると、健康を維持するために必要な栄養がとれないのはいうまでもありません。栄養不足からさまざまな不調があらわれます。
例えば、鉄分不足で貧血になると、めまいや立ちくらみ、頭痛といった症状がでてきます。
また極端な食事制限をしていると体のエネルギーが不足し、低血糖に陥ることがあるそうです。冷や汗や吐き気、だるさ、頭痛など、熱中症と似た症状が出ることがあるので要注意。
それだけではありません。栄養不足は女性ホルモン分泌量の減少も引き起こします。その影響で月経不順や無月経などが起こったり、さらには将来の妊娠に影響したり、骨粗しょう症のリスクを高める可能性があるといいます。
低栄養だと免疫機能が低下するために、新型コロナや風邪などの感染症にかかりやすくなるリスクもはらんでいます。
リバウンドしやすくやせにくい体に
無理なダイエットは健康を損うだけではありません。せっかくやせてもリバウンドしやすいことが知られています。
食事制限ダイエットをしていると、脂肪だけでなく筋肉も一緒に落ちてしまうため、基礎代謝が下がりどんどんやせにくい体になってしまうそうです。また、脳が飢餓状態を感じることで、摂取カロリーを効率よく蓄えるためにリバウンドの一因になるといわれています。
筋肉を増やし、骨の健康も守る
せっかく体重が落ちても、肌荒れがひどくなったり、リバウンドして前より体重が増えてしまったり。
何より、健康を損ねたり将来骨がスカスカになって骨粗しょう症から骨折しやすくなるなど大きなリスクを抱えることになります。
短期間に体重を落とすダイエットは卒業して、これからは、筋肉は増やして骨の健康を守る健康的なダイエットを心がけましょう。
ダイエットはスローペースで健康的に
そのためには、バランよく3食よく噛んで食べること。あたりまえのことながら、摂取するカロリーよりも消費するカロリーを増やすことが大事。運動や家事で消費カロリーを増やしましょう。
間食をするなら、お菓子よりもナッツ類、果物類、乳製品などおやつの種類を変えるといった工夫も必要です。
また食事の満腹感を促すレプチンというホルモンは、睡眠不足になると減って、反対にグレリンという食欲を増進させるホルモンの分泌が増えるといわれています。
食べ過ぎをふせぐためにも、睡眠時間はしっかりとりましょう。
医学的には、3か月~6か月間で体重の3%の減量が推奨されているそうです。つまり1か月あたり体重の1%程度の減量が適切だということになります。
スローペースの減量で、リバウンドしない健康的なダイエットを心がけてください。
<参考>
※「骨と健康を守るダイエット」(栄養と料理/2024.7月号 女子栄養大学出版部)
※「医師が教えます 健康的で効果的なダイエットのしかた」(読むらじる NHKラジオ)
※「からだのお悩みコラム」(コッコアポ クラシエ株式会社)
※「食べないダイエットは逆効果? 食べて痩せるためのコツを解説」(美的.com 小学館)