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「超」のつく加工食品のリスクとは?

加工食品ならふだんからよく口にします。言葉も耳にしますが、さらにその上の「超加工食品」というのはほとんど馴染みがない呼び名です。

でもその「超」が私たちの健康にリスクを及ぼすというのですが……。

 

品質保持などのためにさまざま加工した食品

 そもそも加工食品とはどんなものなのでしょう。

 厚生労働省のe-ヘルスネットによると「食品の品質保持・有効利用・安定供給を目的として、いろいろな手段や方法を用いて食品を調味や加熱等したものが加工食品です」としています。

 高度な加工技術を持たず、せいぜい塩かミソに漬け込んだり乾燥させたりして日持ちさせたかつての時代とは違い、最近では「栄養素量を改善したり、色・香り・味などの嗜好性を高める」加工食品もあるようです。

 また調理済みのものや半調理済みのレトルト食品や冷凍食品、ンスタント食品なども人気のようですが、これらも加工食品です。

 それらには食品の味や見た目をよくするために、さまざまな調味料や食品添加物が使われているといいます。

 

超加工食品だらけの食生活かも?

 加工食品は今では食卓には欠かせないものです。

1日3食とも加工食品という人もなかにはいるかもしれません。

しかし、加工食品を頻繁に食べることでエネルギー(糖分)、脂肪、塩分の過剰摂取につながると厚労省は指摘しています。

 さらに最近では、加工食品の中でも加工度の高いものを「超加工食品」と呼んでいるようです。

 聞きなれない言葉かもしれません。

 でもこの超加工食品、特別な食品ではなく身の回りにたくさんあります。

どれも馴染み深いものばかりです。

 例えばソーセージ、ハンバーガー、炭酸飲料、スナック菓子、カップ麺、冷凍食品、レトルト食品、大量生産されたパンや菓子パン、惣菜パン、ケーキ、アイスクリームなどが超加工食品といわれています。

 

「原材料名」は食品のプロフィール

 超加工食品のどこが問題なのでしょう。

 健康面でのリスクとしてよくいわれているのは、がん、心疾患、肥満、糖尿病などの生活習慣病との関連です。

どうすればいいか?

やはり毎日、毎食、連続して超加工食品を食べない、食品を購入するときは必ず食品表示を確認するといったことが大切のようです。

 加工食品には「原材料名」が含まれる分量の多い順番に書かれています。

 カップ麺ならほとんどは最初が小麦粉だし、冷凍のチャーハンなら米といったように。

 原材料名は、その食品のプロフィールのようなものです。それが何者かがきちんとわかるように書かれてあります。

 

「食べるべきか食べないべきか?」それが問題?

 加工食品を購入するときは食品表示を確認するのを習慣づけましょう。

材料名のリストが長々と書いてあるもの、化学物質のようなものがたくさん書いてあるものは超加工食品の可能性が高いともいわれます。

 ただし、レストランや定食屋、ラーメン店、ファストフードなど、外食店で提供される食べ物には表示の義務がありません。コロッケや唐揚げなどを店頭でバラ売りする総菜屋さんも同様なので注意が必要でしょう。

「体によくないものは美味しい」とよくいわれます。

「自分の体は食べたものでできている」ともいわれます。

「食べるべきか食べないべきか」……食のもっとも悩ましい問題です。

ただ、美味しそうな超加工食品。たまに食べるならまだしも、欲望に任せて食べたいだけ食べるのは如何なものかという気もします。

 

<参考>

*「加工食品」(厚生労働省・e-ヘルスネット)

*「『超加工食品』が肥満や糖尿病の原因に」(一般社団法人日本生活習慣病予防協会)

*「『超加工食品』は健康リスク』」(東京新聞/2022.10.12)

*「大切です!食品表示」(東京都)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。