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寒暖差の激しい季節。つらい片頭痛はがまんしないで

夏日かと思えばいきなり真冬並みの寒さになったりと、このところ気温の乱高下が続いています。

気温が10度以上も違う極端な気温の変化で、体の不調を訴える人も多いといいます。

だるかったり、古傷が痛んだりとその症状はさまざまですが、中でも多いのが片頭痛だといわれています。

 

働き盛りの女性に多い

 頭痛はつらいですね。いろいろなタイプの頭痛がありますが、日本人の約10人に1人が悩まされているといわれているのが片頭痛です。

片頭痛は女性に多く、女性の患者数は男性の3倍以上いると推定されています。

発症のピークは30代~40代。ちょうど働き盛りの年代にあたります。

人それぞれケースは異なりますが、仕事に家事、子育て、場合によっては介護など公私ともに忙しく、ストレスが増大するときかもしれません。

片頭痛に苦しむ人は多いのですが、およそ7割の人は医療機関を受診していないという報告もあります。

 

寝込んでしまう人も……

 片頭痛は、その名のとおり、頭の片側にズキンズキンと脈打つような痛みが起こることが特徴とされています。

けれども、実際には頭の両側の痛みを経験している患者さんも4割近くいるといわれています。

 片頭痛は突然始まって、1時間ほどで痛みはピークに達するといいますが、数時間でおさまる人もいれば、2~3日痛みが続く人もいるなど、痛む場所や痛む時間には個人差があるようです。

吐き気や嘔吐を伴う人も多く、仕事も家事も手につかなくなって、寝込んでしまう人も少なくないそうです。

 

日常生活に支障が出てもがまんしてしまう

 つらい片頭痛ですが、「仕方がない」とあきらめている人が多いといいます。

製薬会社の日本イーライリリーと第一三共製薬が患者と家族、医師に行った「片頭痛に関する意識調査」によると、患者さんの75%が「この4週間に、頭痛のせいで仕事やいつもの活動ができないことがあった」と回答。

症状があるときも「がまんして日常生活における役割を行っている」人は、実に83%にのぼりました。

 また、片頭痛によるつらさについては心理的なつらさをあげる患者さんが2割以上いて、2割前後の患者さんが「寝込む状態のつらさより、日常生活の役割で集中できない、能率が低下する状態」がつらいと回答しているのが印象的でした。

 さらに、つらさを積極的に周囲に伝えない人にその理由を尋ねたところ、トップは「片頭痛のつらさを理解されないと思ったから」、2位は「周りに気を使ったり、手伝わせたり、迷惑をかけてしまうと思うから」、3位は「自分さえがまんしてその場をやり過ごすことに慣れているから」でした。

 

一度はぜひ受診して

調査結果からは、市販の治療薬でやり過ごしてひたすらがまんしている患者さんの姿が浮かんできます。

「たかが頭痛で病院に行っても……」と受診をためらったり、仕事や子育てに追われて受診を先延ばしにして、市販の鎮痛薬を飲んでがまんしている人も多いことでしょう。

けれども市販の鎮痛薬に頼り過ぎると、頭痛を慢性化させる恐れがあるといわれていますから、注意が必要です。

痛みがあると、QOL(生活の質)は大きく損なわれます。忙しさを理由にせずに、ぜひ自分の体をしっかりといたわってあげてください。

脳神経内科や脳神経外科、頭痛専門外来などを受診してみてはいかがでしょう。最近では、新しいタイプの予防薬なども登場しているようですよ。

 

 

<参考>

※「『仕方ない』とがまんせずに」(東京新聞/2022.8.31) 

※「片頭痛」(日本頭痛学会)

※「片頭痛.info」(日本イーライリリー株式会社 第一三共株式会社)

※「頭痛on-line」(沢井製薬株式会社)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。