薬の情報管理に役立つ「お薬手帳」
新型コロナワクチンの接種の際にお薬手帳の持参を呼びかけられることも多いと思います。お薬手帳にはどんな意味があるのでしょうか? 今回はお薬手帳のお話です。
お薬手帳のメリット
お薬手帳とは、処方された医薬品の名前や飲む量、回数、飲み方などの情報をまとめておくための手帳で、調剤薬局で無料でつくってもらえます。
お薬手帳をつくっておくと、現在使用中の薬、さらに過去に使用した薬の情報が記録されるので、患者さん自身が薬の情報を確認することができます。
さらに重要なのは、お薬手帳があると薬の飲み合わせや重複をチェックしてもらえること。複数の医療機関を受診しているときなどは、現在飲んでいる薬を医師に伝えていないと、薬の重複などで思わぬ副作用が出ることもあるといいます。こんなときにお薬手帳があれば、ひと目で服薬履歴がわかるので安心ですよね。
市販薬やサプリメントを買うときにも、薬剤師さんにお薬手帳を見せれば飲み合わせのチェックもしてもらえます。
緊急時などいざというときにも役立つ
お薬手帳には、経験したアレルギーや副作用歴、主な病歴などの記入欄もあるので、記録を残すことがとても大事。お薬手帳があれば、緊急時にも役立ちます。
お薬手帳を何冊ももっている人がいますが、1冊にまとめておくことが大切だそうです。お薬手帳を家に置いたままの状態では、せっかくの情報が活用できません。医療機関や薬局に行くときには、必ず持参しましょう。
紙の手帳とアプリのメリット・デメリット
近年は、スマホアプリを活用した電子版のお薬手帳もいろいろなものが出ています。紙のお薬手帳と違ってかさばらないし、スマートフォンに入れておけば常に持ち歩くことができます。旅先などでも、便利に活用できます。
簡単便利なアプリですが、一方で対応していない医療機関や薬局が多いこと。また本人に何かあったときに、スマホにロックがかかっている状態では、電子お薬手帳の情報を確認できないなどのデメリットがあるようです。
紙のお薬手帳と電子お薬手帳のメリット・デメリットを理解して、上手に使っていきたいものですね。
継続的に記録していくものですから、自分にとって無理なく管理しやすいものを選んでください。
<参考>
※「ここが知りたい 薬のギモン!」(『きょうの健康』2021年8月号 NHK出版)
※『セルフ・メディカ 予防と健康の事典』(小学館)