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若年層も注意したい! 冬の浴室のヒートショック

毎年のように冬になると報じられる事故が、浴槽で起きる「ヒートショック」。

入浴中に急死したとされる人数は、交通事故の死者数を大きく上回っているといわれています。

でもそもそもヒートショックとはどういうものなのでしょうか?

 

環境温度の急激な変化が危ない!

ヒートショックとは、急激な環境温度の変化によって、血圧が上下に大きく変動することによって引き起こされる身体へのダメージ。

脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こしたり、逆に急激な血圧の低下により意識障害を起こしたりするそうです。

湯船の中で起これば、そのまま溺死につながることがある怖い現象なのです。

真冬に、暖かい部屋から気温が低い浴室やトイレに入った際などは要注意です。

 

若年層も油断は禁物

 ヒートショックというと、お年寄りに起こる不慮の事故というイメージがあるかもしれません。

けれども年齢が比較的若くても起きるそうですから、若いから自分は大丈夫と油断はできません。

 とくに脂質異常症、高尿酸血症、ストレス過多、喫煙など心筋梗塞になりやすいリスクのある人、また糖尿病・高血圧・肥満などの人も動脈硬化を引き起こすために、ヒートショックを起こす危険性が高いといわれています。

 病気を発症していなくても、健診で生活習慣病予備軍といわれている人も、十分な注意が必要です。

 

冬の入浴の意外な落とし穴

 気になるヒートショックについて、ガス機器大手のリンナイでは全国47都道府県別に「入浴習慣についての調査」を実施しています。調査では、入浴科学者である早坂信哉先生が監修したヒートショック危険度チェックシート活用。

チェックシートには、メタボや脂質異常症、高血圧、糖尿病のある人をはじめ、自室の浴室や脱衣場に暖房設備がない、一番風呂に入ることが多い、42度以上の熱い湯が好き、飲酒後に入浴することがある、入浴前にかけ湯をしないまたは簡単に済ませる、入浴前に水分をとらない、冷たい水で手を洗うなど12の項目があり、当てはまる項目が多い人ほど、ヒートショックを起こす可能性があるとされています。

 あなたも思い当たる項目はありませんか?

 

ヒートショック・リスクで多かった回答は……

 今回リンナイが行った調査でも、5問以上にチェックがついた「ヒートショック予備軍」は約6割と判定されたそうです。

当てはまる人が最も多かった設問は「浴槽の湯が冷めないようにフタをしている」、続いて「自宅の脱衣所や浴室に暖房設備がない」「冷たい水でよく手を洗う」でした。

反対に、最も当てはまる人が少なかった設問は「宅飲み時など飲酒後すぐに入浴することがある」だったそうです。

 

ちょっとした心がけで事故は防げる

 ヒートショックによる事故は、脱衣場と浴室を入浴前に温める、お湯の温度41℃以下にする、入浴時間は5分~10分以内にするなどの心がけでかなり減少できるといわれています。

また、浴槽から出るときはゆっくり立ち上がる、食後や飲酒後の入浴は控えることもヒートショックを起こさないための大事なポイントだそうです。

 冬のお風呂はヒートショック予防対策をしっかりとって、今日の疲れを癒したいものですね。

 

<参考>

※「全国47都道府県別に入浴習慣についての調査を実施 冬の悩みは『冷え』 “コロナ禍の正しい入浴法”とは!?」(熱と暮らし通信ニュースレター リンナイ)

※冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!(消費者庁ニュースリリース令和2年 11 月 )

※人生100年時代を生きる「冬の風呂場は要注意 ヒートショックの原因と対策」(東京新聞/2022.12.23)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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