プラスコラム
PLUS COLUMN

しっかり受けよう! がん検診

新たな変異株の出現でコロナの影響はまだまだ続きそうですね。長期化するコロナ禍において、心配されているのが健診・検診の受診控えによる影響です。

 

コロナ禍、がんと診断された人が減少

突然ですが、みなさんはコロナ禍でも健康診断やがん検診を受診していますか?

緊急事態宣言で、健康診断やがん検診が一時中止になったり、また、新型コロナウイルスの感染が怖いからと受診を控えている人も多いのではないでしょうか?

そんな中、国立がん研究センターから気になる調査結果の発表がありました。国立がんセンターがまとめた報告書によると、全国のがん診療連携拠点病院などで2020年に新たにがんと診断された人は、2019年と比べて6万人も減少。減り幅の割合は1施設あたり、平均4.6%とのことでした。

がんと診断された人が減った背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えなどが影響した可能性があるそうです。

 

受診控えで、がんの発見が遅れる!?

新聞などの報道によると、がんの診断数が減ったのは2007年の集計以来初めてとのこと。

胃、大腸、肝臓、肺、前立腺、乳がんなど、いずれも大きく減少していたようです。

検診控え等でがんと診断される人が減るということは、そのままがんの早期発見数が減ったことにもつながります。

専門家は、今後はがんの発見が遅れて、進行した状態でみつかることを懸念しています。

 

がんの早期発見には検診が重要

がんは、早期に発見されれば治せる可能性が高く、治療も軽くすむことが多いといわれています。

しかし、多くのがんは早期は無症状であることが多いそうです。だからこそ毎年定期的にがん検診を受けることが非常に大事だといわれています。

 

厚生労働省が受診勧奨

厚生労働省は、医療機関では、院内感染防止のガイドライン等に基づき、しっかりした感染防止対策を行っている。コロナ禍においてもがん検診や健康診断、持病の治療、予防接種などの健康管理は重要であるとして、受診勧奨をしています。

日本人の2人に1人は、がんにかかる時代。国立がん研究センター がん情報サービスの最新がん統計によると日本人ががんで死亡する確率は、男性は4人に1人、女性は6人に1人(2019年のデータに基づく)となっています。

自分はがんにはならない、などと過信せず、コロナ禍においてもがん検診をしっかり受けて、自分の体を守ることをおすすめします。

 

<参考>

※「院内がん登録 2020年全国集計報告書 公表」(国立がん研究センター)

※「受診控え、がん患者6万人現 20年、コロナ影響で初めて」(東京新聞/2018.11.26)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。