上手に付き合おう 生理痛と鎮痛剤。
そこそろ、来るかなと思ったら、やっぱり……。
毎月来る憂うつな生理。生理痛が気になって鎮痛剤を飲んでいる人も多いのではないしょうか。
今回は、鎮痛剤との上手な付き合い方のお話です。
生理痛はなぜ起こる?
そもそも、生理痛はなぜ起こるのでしょう?
毎月体験しているわりには、知らない人も多いようです。まずは生理のしくみをおさらいしてみましょう、
月経(生理)とは、約28日サイクルでくり返す子宮内膜からの出血だといいます。生理痛が起こるのは、月経時にはがれた子宮内膜を押し出すために子宮が収縮することが原因。この作用は子宮内膜で生成されるプロスタグランジンという物質によって起こるといいます。
つまり、プロスタグランジンの分泌量が多いと、それだけ生理痛もひどくなるというわけ。
鎮痛剤はこのプロスタグランジンの産生を抑える働きがあるといいます。
鎮痛剤は早めに飲むことがポイント
生理痛がつらくても「クセになるといけないから」とギリギリまで鎮痛剤の服用を我慢する人がいます。
しかし、これは残念な服用の仕方だそうです。
なぜなら、鎮痛剤はすでに産生されたプロスタグランジンを消すことができないために、痛みが強くなってから飲んでも十分な効果が期待できないといいます。
専門家は、鎮痛剤はそろそろ痛くなりそうなときに、早めに飲むことをすすめています。
鎮痛剤を飲むことに抵抗を覚える人もいるようですが、用法・用量を守って月に1日、2日飲むくらいなら心配はいらないそうです。
自分の痛みのパターンを把握して、早めに鎮痛剤を飲むのがポイントのようです。
こんな病気が隠れているかも
ところで、毎月起こるひどい生理痛は、病気が原因で起こるもの(器質性月経困難症)と、とくに原因となる病気がなくても起こるもの(機能性月経困難症)があるそうです。
ひどい生理痛は、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることも少なくないそうです。
近年は、子宮筋腫や子宮内膜症にかかる女性が増えているといいます。
日本産科婦人科学会によると、子宮内膜症は20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳といわれているそうです。
また子宮筋腫は比較的若い世代から閉経後の人まで高頻度みられる病気だそうです。
どちらも婦人科の病気の中では多く見られるもので、不妊の原因になることもあるので、注意が必要だといいます。
生理痛が重くなるときは早めに受診
専門家によると、生理痛は年齢とともに軽くなるのが一般的。
昔に比べて生理が重くなったり、鎮痛剤が手放せなくなったという人は、病気が隠れていることも多いそうですから、早めの受診をおすすめします。
病気がない場合でも、受診をすることで日常生活の注意点などを教えてくれることも多いそうです。
働く女性の8割が悩んでいる
働く女性の8割以上が生理痛やPMS(月経前症候群)による仕事への影響を感じているという報告もあります
婦人科の病気がなければ、鎮痛剤を効果的に使って「毎月来る憂うつ」を上手に乗り切りたいものですね。
<参考>
※ウイメンズ・メディカ(小学館)
※オムロン式美人「月経・生理Q&A」(オムロンヘルスケア株式会社)
※産科・婦人科の病気(日本産科婦人科学会)