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傷や虫刺されが治りにくい……亜鉛不足を要チェック!

 夏の皮膚トラブルのひとつに虫刺されがあります。誰でも経験するものですが、最近虫刺にされたあとが治りにくい、膿んでしまったなどということはありませんか? 

実は亜鉛が不足すると、虫刺されや傷が治りにくい、あとが残りやすいということがあるようです。

 

美容に健康に欠かせない「亜鉛」

 「亜鉛」といわれてもあまりピンとこないかもしれませんが、亜鉛は私たちの体にとって欠かせない大変重要な微量ミネラルの1つです。

 亜鉛は、細胞の産生、増殖に関わって発育の促進、皮膚や粘膜、爪の状態を正常に保つ働きをするほか、味覚を正常に保つのにも欠かせないミネラルだといわれています。

 不足すると、免疫力の低下や肌荒れ、抜け毛などを招くほか傷口や虫刺されなどが治りにくい、膿みやすい、また味覚の異常が起こるなど体のいろいろなところに症状がでてくるといいます。

 お肌のコラーゲン合成にも、タンパク質と亜鉛などのミネラルが必要不可欠だといわれていますから、亜鉛が不足すると、髪や皮膚のトラブルなど美容面にも大きな影響が出てくるようです。

 

  • 亜鉛不足になる原因

 亜鉛に多く含まれる食品には牡蠣や豚や鳥のレバー、牛肩肉など肉類に多く含まれていわれています。

これらの食品を、ことさらとらなくてもふつうに食事をしていれば不足することはないとされています。

けれども、現代人は以下の理由から総じて亜鉛が不足気味。とくにコロナ禍では、亜鉛不足に陥りやすい状況がそろっているようです。

1)ファストフードや加工食品、精製食品のとりすぎ

加工食品や精製食品などは亜鉛含有量が低いことが知られています。またファストフードやインスタント食品、加工食品に多く含まれる食品添加物には、亜鉛を体外に排出したり、亜鉛を吸収しにくくなるものがあることが知られています。

リモート生活で、ついついファストフードや加工食品に頼りがち、という人は注意が必要です。

 

2)偏った食事・ダイエット

 女性はとくに偏った食事やダイエットで、亜鉛不足になるおそれがあるそうです。栄養バランスの見直しが必要です。

 

3)アルコールをたくさんとる

亜鉛はアルコールを分解する際に使われるといいます。

加えてアルコールは尿中への亜鉛の排泄を促すそうです。そのため、お酒をよく飲む人は亜鉛不足陥りがちだといわれています。

 

4)ストレスを抱える

 ストレスがかかると大量に亜鉛が消費されるそうです。

 最近、もやもや・イライラが多くなっていませんか?

 

5)タバコを吸う

 タバコを吸うと、体内に活性酸素が生じることが知られています。

この活性酸素を消費するために亜鉛が必要とされるそうです。喫煙者は亜鉛不足に陥りやすいので注意が必要です。

 

バランスのとれた食事で、亜鉛不足の解消を

 いかがでしたか? 亜鉛不足になる条件がいくつも当てはまった人がいるかもしれません。

 亜鉛が不足すると、美容面にも大きな影響が出てくるので気をつけたいものですね。

 ただし、亜鉛は多くとればそれでよいわけではありません。サプリメント等で過剰に摂取をすると悪心や嘔吐、食欲不振、下痢、頭痛などの副作用が出る恐れがあるといわれています。また、泌尿器・生殖器系などにも悪影響を及ぼす可能性もあるという報告があるそうなので、とりすぎにも気をつけて。

 日本人の場合、バランスのとれた食事を必要量摂っていれば、亜鉛が少なすぎたり多すぎたりすることはないといわれています。

 コロナ禍で、ストレスがたまったり食生活が不規則になりがちだからこそ、バランスのとれた食事を意識的にとる必要がありそうです。

 

<参考>

*『ウィメンズ・ディカ』(小学館)

*『食の医学館』(小学館)

*統合医療情報発信サイト eJIM「亜鉛」(厚生労働省)

*「亜鉛不足は怖い! 起きる症状や原因を解説します」(江崎グリコ株式会社)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。