プラスコラム
PLUS COLUMN

コロナ禍のうつうつ気分を吹き飛ばせ!

長引く自粛生活や働き方の変化、将来の不安など、新型コロナウイルスの流行によって、なんとなく気持ちが持ち上がらないという声をよく聞きます。

コロナ禍のストレスに負けないために、ちょっと気持ちを切り替えてみませんか?

 

ネガティブニュースが心に影響

 毎日大量に発信される新型コロナ関連のニュース。

不安を過度にあおるようなニュースもあって気持ちが沈んでしまうという人も多いのではないでしょうか。

ネガティブなニュースは人の感情に影響を及ぼすといいます。長引くコロナ禍でメンタルを疲弊させないためにも、気分の転換が必要なようです。

 

精神活動を担う「前頭前野」

 脳の前頭前野といわれる部分をご存じですか?

前頭前野は、大脳にある前頭葉の一部で、ちょうど額の後ろくらいにあります。

その「前頭前野」が担っているのが思考や創造性といった精神活動。

「考える」「記憶する」「アイデアを出す」「感情をコントロールする」「判断する」「応用する」など、人間にとって重要な働きを担っていることが知られています。

脳の司令塔といわれる前頭前野ですが、脳を健康に保つためには、この前頭前野を常に刺激し、活性化させることが一番大切なことだといわれています。

逆に、前頭前野の機能が鈍っていると、仕事の効率が下がったり、怒りやイライラなどの感情をコントロールできなくなったりするそうです。

 

驚きや発見などいつもと違う刺激が大事

最近ささいなことでキレてしまう、仕事がはかどらないという人は、働きが鈍っている前頭前野を活性化させる必要があるのかもしれません。

 といっても、ただじっと考え事をしているだけでは、活性化されないようです。前頭前野は、いつもと違う刺激……例えば「へえ、そうだったんだ!」といった新しい発見や驚き、人とのコミュニケーションなどで活性化するといわれています。

 また、笑ったり泣いたりすることや新しいことに挑戦する、好きなことを楽しむことも前頭前野の活性化に役立つそうです。

 そのほか運動も脳の健康に欠かせないといわれています

 

小さな1歩を踏み出し、新たな発見を

 自粛生活が長期化して、人とのコミュニケーションの機会や会話が減り、運動不足も重なって、脳への刺激が減った単調な生活になりがちです。

そこで、意識的にトライしたいのが日常生活の中で見つける新しい体験。

たとえば、近くの公園で開催されているラジオ体操に参加してみる、新しい違を探してウォーキングしてみる、ハンドメイドに挑戦する、昔やっていた楽器を再開する、花や植物、飲食系などのサブスクリプション・サービスを利用してみるなど、いつもと違うことに挑戦してみませんか?

 すると、新しい刺激に、脳がイキイキと働きだすはず。

 小さな一歩を踏み出すことで、新しい世界が広がってくるかもしれません。

 

 

<参考>

※「天声こども人語」(朝日小学生新聞 2021/5/20)

※「前頭前野」(脳科学事典)

※プロフェッショナル仕事の流儀「プロに学べ! 脳活用法スペシャル 脳の老化を吹っ飛ばせ」(NHK 2009年10月20日放送)

※脳のはなし「人間らしく生きるには前頭前野が大事」(Active Brain CLUB(株式会社 NeU)

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。