自粛生活で、骨の健康を損なっていませんか?
コロナ禍で長引く自粛生活。肥満など
健康に及ぼすさまざまな影響が出てきているようですが、骨の健康問題もその1つ。
骨を弱くするこんな生活、あなたは知らず知らずのうちにしていませんか?
骨が弱まると見た目年齢にも大きな影響
骨の健康に大きく関与するのが生活習慣といわれています。
不健康な生活習慣によって骨密度が低くなると、骨折しやすくなるだけでなく、顔面の骨も萎縮してしわやたるみが増えて老け顔になるといわれています。
さらに、高齢になると知らず知らずのうちに圧迫骨折が起こって、気が付くと背が縮んでいたり、背中が曲がるなど、将来的な見ため年齢にも大きく影響してきます。
若い世代もご用心!
骨粗鬆症なんて、まだまだ先のことと思っている人も多いかもしれません。でも、近年は極端なダイエットやカルシウム不足から20代の女性でも骨粗鬆症予備軍がみられるようになってきたといわれています。若いからといって、油断は禁物なのです。
また、女性は閉経後に著しく骨密度が減少しますが、もともとの骨量が少ないと骨粗鬆症のリスクが跳ね上がるので一層の注意が必要です。
20代、30代でも骨密度を下げないように心がけたいものですね。
こんな生活が骨を弱める
ところが、リモートワークや自粛生活など、コロナ禍で起こった生活の変化は、骨を弱めてしまう要素がいっぱいあるといわれています。
どんなことが問題なのでしょう?
(1)外出しない、日光を浴びない生活
外出自粛の影響で日光を浴びる機会がぐんと減ってしまっているようです。すると太陽の光を浴びることでつくられるビタミンDが不足し、骨や筋肉が弱まる傾向があることが知られています。
(2)運動不足
運動不足の状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出しやすくなって骨が弱くなるといわれています。
リモートワークは通勤に費やす時間がなくなって楽な分、1日の歩数も大幅に減少。気が付くとすわりっぱなしの生活を送っていることが多いのです。
(4)加工食品やお菓子を食べる機会が増えた
巣ごもり生活が長くなると、自炊も大変。面倒だからと加工食品に頼りっきりになったり、ついついスナック菓子を食べ過ぎたりしていませんか?
一般にハムやベーコン、練り物、インスタント麺、ファストフードなどの加工食品やポテトチップスなどスナック菓子は、食味をよくしたり、保存性を高めるために食品添加物のリン酸塩が添加されているそうです。
リンの取りすぎは骨のカルシウムを減少させてしまいます。また腎機能の低下を招くことなどもわかっているそうです。
食品添加物に含まれている無機リンは、自然の食品に含まれる有機リンに比べて体内に吸収されやすいといわれていますから、しょっちゅう食べていればカルシウム不足になって、骨がもろくなる事態になりかねません。
(5)タバコを吸い始めた
せっかく禁煙していたのに、自粛生活でイライラがつのって、またタバコを吸うようになった人もいることでしょう。
喫煙者の骨折リスクは、禁煙した人や喫煙しない人の約1.3~1.8倍になるといわれています。
(5)お酒の量が増えた
アルコールの飲み過ぎも骨の健康に影響を与えるといわれています。巣ごもり生活でアルコールの量が増えてしまった人は要注意です。
いかがですか?
自粛生活ではついつい流されがちな生活のあれこれ。
加齢によって生じる骨粗鬆症のリスクは回避できませんが、生活習慣は努力次第で除去できる危険因子。
不健康な生活習慣として定着する前に、骨にやさしい生活を見直してみてはいかがでしょうか?
<参考>
*「自粛生活で、骨弱っていませんか?」(『栄養と料理』 女子栄養大学出版部 2020年10月号)
*「骨粗鬆症の予防のための食生活」(e-ヘルスネット 厚生労働省)
*「背中の曲がりや痛み~ひょっとして圧迫骨折かも?」(中野区医師会 ホームページ)