プラスコラム
PLUS COLUMN

胃の不調とストレスの深~い関係

12月は何かと仕事が忙しくなる時期。

ストレスがたまって、胃が痛むという人も多いのではないでしょうか?

 

日常的に見られる病気

突然ですが、「機能性ディスペプシア(FD)」という病気をご存じですか?

初めて聞いた人も多いかもしれません。

 何やら舌を噛みそうな病名ですが、 胃の不調で消化器内科を受診した人の約半数が「機能性ディスペプシア」だったとの報告もあるほど、日常で多く見られる病気のようです。

 

検査をしても異常が見つからない

 日本消化器病学会ガイドラインによると機能性ディスペプシアの定義は『症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの胃十二指腸領域を中心とした腹部症状を呈する疾患』としています。

 ひらたくいうと、検査をしても病気や炎症は見つからないのに、胃痛や胃もたれといった胃の不快症状がある場合を機能性ディスペプシアというそうです。

「心当たりがある」という人も多いのではないでしょうか?

 

ストレスにご用心

 機能性ディスペプシアの原因には、胃の形態が関わっていたり、菌やウイルスの感染、遺伝的な要因などさまざまなものがあるようですが、ストレスや不眠なども機能性ディスペプシアの発症に大きく関連しているといわれています。

 そもそも、ストレスと胃腸とは密接に関係していて、ストレスによって自律神経が乱れると、自律神経によって制御されている胃の働きも影響を受けてしまうそうなのです。

 

なりやすいのはこんな人

 そのため、頑張りやさんや完璧主義など、疲れやストレスをためやすい人は、この病気になりやすいといわれているそうです。

 また飲酒や喫煙、不眠などによって、機能性ディスペプシアが発症したり悪化することがあるそうです。

 運動、食事、睡眠、ストレスケアなどを行うことで症状が改善することがあるそうですから、ライフスタイルの見直すしが大事なポイントになるようです。

 

生活様式がかわるコロナ禍ではとくに注意を

 リモートワークで生活習慣が乱れたり、ストレスをためがちなコロナ禍では、胃の不調を引き起こさないよう、とくに気を付けたいものですね。

 ところで、胃の不快な症状は胃がんなど重大な病気が隠れていることもあるので、放っておかないことが大事。

 胃の調子が変だなと思うときは、早めに医療機関を受診して原因を確認することをおすすめします。

 

<参考>

*「機能性ディスペプシアガイド」(日本消化器病学会ガイド)

*「機能性出ディスペプシアの原因と症状」(NHK健康チャンネル)

*「【医師が解説】機能性ディスペプシアの症状・診断・治療」(元住吉こころみクリニック)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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