プラスコラム
PLUS COLUMN

「がんばりダイエット」はリバウンドを招く?

コロナ太りから抜け出せなくて、ダイエット中の人も多いのではないでしょうか?

すんなりやせられればいいのですが、体重が減ってもすぐにリバウンドする人も。

なぜダイエットに失敗してしまうのでしょう。

 

ダイエットのたびに太りやすくなっていない?

  食事制限をして体重が減ったのに、たちまちリバウンド。

ダイエットするたびに太りやすくなったと感じたことはありませんか?

なぜなんでしょう?

その大きな原因は、筋肉の減少だといわれています。

食べないダイエットをしていると、脂肪燃焼に大きく貢献している筋肉が分解されて筋肉量が減少してしまうそうなのです。

 その結果、基礎代謝が著しく低下。

基礎代謝が落ちれば、太りやすくやせにくい体になります。ダイエット前と同じように食べれば、たちまちリバウンドが起こってしまうのです。

 さらに我慢していた反動から、お菓子や食事をとりすぎてリバウンドが加速。ダイエット前より太ってしまったという声もよく聞きます。

 

昔のようにやせられない理由……

 ダイエットの失敗は年齢的な問題もあります。

 加齢とともに、基礎代謝量は年々低下することが知られています。そして年齢と共に運動量も自然と減っていきます。

 さらに注意したいのが、更年期世代。

 女性ホルモンのエストロゲンは、内臓脂肪の蓄積を防ぐ作用があるそうです。

その女性ホルモンが減少する更年期以降は、女性ホルモンのお守りがなくなりますから、とたんにおなかぽっこりの内臓脂肪が増えてくるといいます

更年期以降の肥満は、美容上の問題だけでなく、乳がんのリスクを高めたり、生活習慣病の原因となったり、足腰に負担がかかったりと、健康問題に直結してくるのでやっかいです。

 

体重キープが大きな課題

ダイエットをがんばりすぎていませんか?

専門家によると、ダイエットを成功に導くためには減らした体重を保ち続けること。そのためには、体重を増やさないための小さな習慣を築いていくことだといいます。

ただ単純に、食事だけを減らしていくダイエットでは、リバウンドを招くだけでなく健康を害する恐れも出てきます。

 

太らない習慣を身につけるコツ

 大事なのは「太らない」小さな習慣を身につけること。

 たとえば、スクワットなどの簡単な筋トレをしてみたり、通勤で歩く距離を少しだけ増やしてみる、座りっぱなしするのはやめて、ちょこちょこ立ち上がって動いてみる。

 食事は、野菜や大豆製品を多く摂ることを意識することも大事なポイント。夕食は21時以降とらない。お酒を飲むなら適量範囲で楽しんで、揚げ物や味付けの濃いおつまみは控える。スイーツは、洋菓子より食物繊維が多く脂質が少ない和菓子にかえてみる……などなど。

 「たちまちやせる」「みるみるやせる」は魅力的な言葉ですが、ダイエットの王道は、やはり「太らない生活」を毎日コツコツと続けることにあります。

 張り切りすぎない「ゆるダイエット」で万年ダイエッターを卒業しませんか。

 

<参考>

*「50歳からの挑戦しないダイエット」(『栄養と料理』2019年7月号 女子栄養大学出版部)

*『更年期障害これで安心』(小学館 堀口雅子監修)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。