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今年の夏は、いつにもまして脱水・熱中症にご用心

暦の上では立秋ですが、体感的には「夏真っ盛り」。

ニュースや天気予報では連日「危険な暑さへの注意」を呼びかけています。

この時期若い世代でも気をつけたい「脱水の危険」について考えてみました。

 

体の約60%は水分

 猛暑が続いて大量に汗をかくこの時期、気をつけたいのが脱水症です。

 人間の体の約60%は水分だといわれています。

 体のほとんどは水分でできているといっても過言ではありません。

 その水分が体から失われてしまうと、命の危機に直結します。

厚生労働省の「健康のため水を飲もう講座」によると、「体内の水分の5%を失うと、脱水症や熱中症などの症状があらわれ、10%では筋肉のけいれんや循環不全が、20%を失うと死に至る」とされています。

体にとって水分はなくてはならない大事な要素。

 汗などで水分が失われがちな夏は、とくに水分補給が必要になります。

 

「夏血栓」にご用心

 今年の夏、医師らがとくに注意を呼びかけているのが、熱中症とともに血栓の危険性。

血栓というのは、簡単にいえば血の塊のこと。

体内から水分が不足してしまうと、血液がドロドロとなり血栓ができやすい状態になるのだそうです。

 血栓は血管を詰まらせて、最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞といった命を脅かす病気を引き起すといわれています。

 

コロナ禍。運動不足がもたらす弊害

新型コロナウイルスの拡大で外出自粛もあり、今年は運動不足を感じている人も多いようです。

 実は体内で水分をもっとも多く含んでいるのが筋肉。

 筋肉は水分の貯蔵庫ともいわれているのです。

 その筋肉量が運動不足によって減ってしまうと、脱水になりやすく、血液がドロドロになって熱中症や血栓を引き起こしやすくなるといわれています。

 熱中症も血栓も高齢者だけでなく、働き盛りの30代・40代でも発症の危険があるといいます。

若い世代も油断はできません。

 

起床時と就寝前の水分補給を忘れずに

 例年に比べて、今夏は新型コロナウイルスの影響で、マスクを着けているため水分不足に気づきにくいといわれています。

 のどが渇いたなぁ、と感じたときにはすでに体内の水分が失われていえるそうですから、のどが乾く前からこまめに意識的に水分補給をすることが大事だそうです。

とくに気をつけたいのは、就寝中の脱水症。

人は睡眠中、体温調整のために汗をかき、夏であればコップ1~2杯分の水分を失うといわれています。

起床時と夜眠る前は、とくに意識的に水分補給を行うこと。

「寝覚めの一杯」「寝る前の一杯」、水を飲むことがすすめられています。今日から習慣づけてみてはいかがでしょう。

 

<参考>

*「暑さで脱水 夏血栓注意」(東京新聞/2020.8.11)

*「健康のために水を飲もう推進運動」(厚生労働省

*「熱中症予防情報サイト」(環境省)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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