
健康にいいミネラルって何?
「ミネラル」と聞くだけで「健康」を連想する人は多いと思います。
でもミネラルがどういうもので、どう体にいいのか、イマイチという人も。いったいミネラルって何ですか?
ミネラルは5大栄養素の1つ
「人間は食べたものでできている」とよくいわれます。
食べたものから必要なエネルギーをもらい、栄養を得て骨や臓器、筋肉など、体を作っている組織を維持しているわけです。
5大栄養素とかいいますよね。
食べ物を栄養素ごとに、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5つに分類したものです。
これに食物繊維を加えて6大栄養素という分類もされているようです。
ミネラルは無機質とも呼ばれ、タンパク質や脂質など、ある特定の栄養素を示す呼び名ではなくていわゆる総称です。
ミネラルは食べ物からしか得られない
体を構成する4元素である水素(H)、窒素(N)、炭素(C)、酸素(O)を除いた100種類を超える元素をミネラルと呼んでいるのだそうです。
ミネラルは、体内に比較的多く含まれる多量ミネラルと、わずかしか存在しない微量ミネラルに分類されます。
多量ミネラルには、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)などがあります。
微量ミネラルには、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ヨウ素(I)、セレン(Se)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)などがあります。
ミネラルは体内で作り出すことができないので、食べ物から摂取するしかありません。
インスタント食品でリンの摂りすぎに?
ミネラルは多く摂っても少なすぎても健康を維持できないといわれます。
例えばナトリウムの摂りすぎは高血圧、カルシウム不足は骨粗鬆症、鉄の不足は鉄欠乏性貧血などが、その好例です。
もともと日本人はナトリウムとリンの摂りすぎの傾向があるといわれます。
リンは摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害するといわれます。
リンはナトリウムとともに食品添加物の中に多く使われるので、インスタント食品や加工品を多く食べると摂りすぎになってしまう傾向があるようです。
不足しがちなミネラルって?
不足しがちなミネラルにカルシウムやマグネシウム、亜鉛がいわれています。
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルで、歯や骨を形成しています。
食べ物で十分に摂取していてもビタミンDの不足やリンの摂りすぎによってカルシウムの吸収が悪くなるといわれます。
マグネシウムは骨や歯に多く含まれ、残りは筋肉や脳、神経にあって情報の伝達や体温、血圧の調整を行なっています。
不足すると骨の形成に影響が出たり、不整脈を起こしたり足がつったりするといわれます。
亜鉛は細胞の増殖などにかかわり、体の発育や傷の回復を促します。
味覚を正常に保つ働きもあるようです。
ファストフードに偏った食事や極端なダイエットなどが亜鉛不足の原因に挙げられています。
ミネラルの摂取はバランスが大切
その他、カリウムはナトリウムを排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを調節するのに役立つといわれています。
過剰に摂取しても体内の調節機構の働きで障害が出ることはまれだそうです。
不足すると脱力感や食欲不振、不整脈などが見られることもあるようです。
セレンは免疫力を高めたり、抗酸化作用や老化やがんを抑える働きがあるらしいです。動脈硬化の予防効果もあるようです。
不足すると抜け毛、老化の進行などが見られるといわれます。
ワカサギ、イワシなどに含まれます。
「ミネラルは健康にいい」という印象から、つい摂りすぎてしまいがち。
ミネラルは相互に影響しながら吸収されるので、過不足なくバランスよく摂る必要があるそうです。
<参考>
*「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
*「『健康食品』の安全性・有効性情報」(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
*「ミネラル/e-ヘルスネット」(厚生労働省)
*「食の医学館」(小学館)