禁煙で愛を守れるか?
いよいよ今年(2020年)4月から国と東京都の喫煙に関する法律と条例が全面施行される予定です。愛煙家を取り巻く状況はいちだんと厳しくなってきたようです。
いよいよ屋内禁煙が実現?
ついに国の改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例が4月1日から本格的に施行されますね。
これによって屋内は原則禁煙となるわけですけど、あくまでも「原則」であって、適用が除外される例もあるようです。
くわしくは別の機会に当コラムで紹介したいと思いますけど、国や自治体のホームページとか広報誌などでも確認できますから、興味のある人は見てみてください。
今回、東京で開催されるオリンピック・パラリンピックを受けて、この「喫煙制限法」ともいえる法律、条例の成立かもしれないという声もあります。
それだけタバコの有害性は無視できないことだったのだと思います。
1年間で800万人が煙にように消える?
WHO(世界保健機関)によると2017年の1年間に世界で800万人以上がタバコが原因で亡くなっているそうです。
ものすごい数です。
それは日本でいえば大阪府の人口(約880万人)に相当し、世界の都市で見るとたとえばロンドンやテヘランが該当します。
1年でそれだけの人が、それらの街や地域から、まさに煙のように消えてしまうわけです。
おそろしいことだと思いませんか?
さらに怖いのは、1年間で120万もの人が受動喫煙が原因で亡くなっているということです。
そのうちの約半数は女性、そして15歳未満の子どもが6万5000人もいるそうです。
「タバコ臭い」瞬間に被害者?
喫煙は吸う本人のみならず、受動喫煙によって家族や周囲に悪い影響を及ぼすことはよく知られています。
公益財団法人日本医師会の発行する禁煙に関する冊子によると、タバコの煙にはニコチンやタール、一酸化炭素以外に70種類以上の有害な発がん物質が含まれているそうです。
これらの有害物質は吸った本人の髪の毛や洋服に付着するのはもちろん、室内を漂う煙は柱や壁に染み付き、家具にからまり、カーテンにまとわりつくといいます。
また屋外でもだれが吸ったとは知れないタバコの煙がどこからか漂ってくることがあります。
室内に入ったときや道を歩いているとき、「なんだかタバコ臭いなあ……」と感じたときは、すでにタバコの被害に遭っているのだそうです。
これ以外にも子どものおもちゃや自家用車の内装、エアコンなどを通して有害物質を吸ってしまうこともあるといいます。
それらは二次喫煙とか三次喫煙と呼ばれているようです。
愛のために禁煙しますか……それとも?
前述の日本医師会が発行する禁煙活動推進のための冊子には『禁煙は愛』というタイトルがついています。
副題に『あなたのため、そばにいる人のため』と謳われています。
タバコはそれを吸う本人以外に家族や周囲の人の健康にかかわる問題でもあります。
禁煙はそんな大切な家族のため、まわりにいる仲間の健康のためでもあるということをこの冊子のタイトルは示しています。
愛のためにタバコをやめますか?
それとも愛よりタバコを選びますか?
<参考資料>
*「禁煙は愛」(公益財団法人 日本医師会)
*「家族のたばこ(配偶者、子ども、結婚相手のたばこ)意識調査」(国立がん研究センター)
<参考URL>
*「東京都受動喫煙防止条例」(東京都福祉保健局)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kensui/tokyo/kangaekata_public.html
*「受動喫煙対策」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html