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突然襲う一瞬の眠気、マイクロスリープにご用心

会議中や電車の中などで強い眠気が襲ってきて一瞬記憶がとんだ―――こんな経験はありませんか? 

一瞬の眠気が大事故につながることも。

あなたは大丈夫ですか?

 

自覚がないまま瞬間的に眠りに落ちる

強い眠気が襲ってきて、一瞬意識が飛んでしまう瞬間的睡眠。

微小睡眠、マイクロスリープともいうそうです。

その間わずか数秒から数十秒だとわれています。

脳が疲労のピークに達したとき、パソコンの強制終了と同じように、いきなり眠りに落ちしてしまうのだといいます。

 

世界的な大事故の陰に……

通勤電車での居眠りくらいなら問題ないかもしれませんが、危険な作業をしているときや運転中などにマイクロスリープが起これば、命にかかわる大事故につながりかねません。

チェルノブイリ原発事故やスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故など、大事故の発生の背景にはこうした睡眠不足があったと指摘されているそうです。

 

病気のリスクも高めてしまう

ところで、危険なマイクロスリープの原因となるのが、毎日少しずつ睡眠不足が蓄積されて起こる「睡眠負債」だといわれています。

多少の無理を重ねているうちに、睡眠不足の状態に慣れてしまうのが怖いところ。

そのため本人に睡眠負債の自覚がないのだそうです。

睡眠負債が長年続くと、免疫力を弱め、肥満や高血圧症、認知症、うつ病などさまざまな病気を招くことが知られています。

 

睡眠負債は「借金の返済」と同じ

睡眠負債は大きくなればなるほど、そう簡単には返済されないといいます。

ちなみに休日の寝だめでは睡眠負債を解消することはできないとのこと。

つまりは、毎日コツコツと睡眠不足という負債を返済していくことがポイントのようです。

 

睡眠負債をためないために

仕事が忙しいときなどは帰宅を早めることは難しいかもしれませんが、質の良い睡眠を確保するために、家に帰ってからのゲームやスマホの使用時間を減らすことなら、心がけ次第でできそうです。

また、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014年」では、「仕事や生活上の都合で、夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合、30分以内の昼寝が午後の眠気による仕事の問題を改善するのに役立つ」としています。

気になる人は試してみてはいかがでしょうか。

 

<参考資料>

*「睡眠不足 健康リスクや大事故も」(東京新聞 2019年5月13日)

*「第16回 女性のためのプラスウェルネスセミナー・レポート」

 

<参考URL>

*「健康づくりのための睡眠指針2014年」(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。