プラスコラム
PLUS COLUMN

鉄分を効率よくとって 貧血からくるプチ不調にさよならしよう

忙しい毎日、朝食を抜いてしまったり、夜はお酒と簡単なつまみだったり、コンビニやスーパーで買った惣菜などですましていませんか?

栄養バランスが崩れると、知らず知らずのうちに鉄欠乏性貧血になって「だるい」「疲れやすい」といったプチ不調が出やすくなります。

 

鉄が不足すると体が酸欠状態に

血液中の赤血球はヘモグロビンで構成されていて、酸素を体中の細胞に血液を通して届けるという大切な働きをしています。

そのヘモグロビンに必要な栄養素が鉄なのです。

鉄不足になるということは、十分なヘモグロビンがつくられず、体中の組織が酸欠状態になることでもあるのです。

 

女性に多い鉄欠乏性貧血

そもそも女性は、毎月来る月経によって体内の鉄分が失われやすい傾向があるそうです。

体内の鉄不足から起こる鉄欠乏性貧血は月経のある女性の5人に1人とも、4人に1人ともいわれています。

 

鉄不足になりやすいのはこんな人

毎日を元気に過ごすために欠かせない栄養素の鉄分ですが、鉄は体内ではつくる事が出来ないそうです。

このため、毎日の食事から継続的に鉄分をとることが必要だといわれています。

ところが、忙しくて食事がおろそかになっていたり、ダイエッをしていたり、偏食気味の人は、そもそも食事からとる鉄分が相対的に不足しがち。鉄欠乏性貧血になりやすいので注意が必要です。

 

プチ不調が出たり美容にも悪い影響が

鉄が不足して鉄欠乏性貧血になると、疲れやすい、階段で息切れがする、爪が弱くなる、めまいや立ちくらみが起こる、抜け毛や枝毛が増えたり、口角が切れやすくなる、肌がカサカサになるなどさまざまな症状が出てくるそうです。

「最近気になるプチ不調」は「毎日が忙しくて疲れているせい」ではなく、もしかしたら「貧血のせい」で起こっているのかもしれません。

 

鉄を含む食品を意識的にとろう

不調が気になる人は鉄たっぷりの食材を意識的にとりましょう。

鉄を多く含む食品にはカツオやマグロなどの赤身の魚、肉類やレバー、貝類、ヒジキなどの海藻類、ほうれん草や小松菜などの野菜類、大豆、大豆製品などの豆類、オートミールやソバ粉などの穀類があります。

野菜、海藻、穀類などの植物性食品に含まれるは(非ヘム鉄)は、動物性食品に含まれる鉄(ヘム鉄)と比べると、吸収されにくいそうですが、動物性たんぱく質やビタミンCといっしょにとると吸収がよくなることが知られています。

 

さまざまな食品を「3食きちんと」

ビタミンCのほかにもビタミンB12や葉酸、たんぱく質、ビタミンB6なども造血や鉄の吸収に欠かせない栄養素だといわれています。

こうした栄養素を十分にとるには、偏食しないでさまざまな食品をとること。

また朝食や夕食を抜いたりしないで、3食きちんととることがポイントになるようです。

インスタント食品、スナック菓子などで食事をすませないようにしましょう。

 

足し算ご飯を心がけよう

女性の場合、野菜不足は気にしていても、たんぱく質不足を気にする人は意外と少ないのではないでしょうか?

肉や魚、大豆製品、卵など体をつくるたんぱく質は、血液の材料にもなるそうなので、毎日の食事にとりいれたいもの。

たとえば朝食はパンと野菜ジュースですませている人は、ゆで卵や目玉焼をプラスする。

和食派の人は、卵や納豆、豆腐を欠かさずに食卓にのぼらせるといった具合に、足し算ご飯を考えてみてはいかがでしょうか。

忙しいときは食事がおろそかになりがちですが、鉄不足から貧血がすすめば「だるい」「疲れやすい」といった症状が出てきてしまいます。

忙しい人ほど栄養バランスを考えながらしっかり食事をとって、からだのコンディショニングを整えたいものですね。

 

<参考資料>

*「ウィメンズメディカ」(「小学館」

*「栄養と料理」(2018年8月号 女子栄養大学出版部)

*「きょうの健康」(2018年2月号 NHK出版)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。