プラスコラム
PLUS COLUMN

お酒を愛する「左党女子」が お酒と上手に付き合うには?

前回は、意外と知られていない女性とアルコールのリスクについてお話しました。

お酒が好きな「左党女子」にとっては、ちょっとショックな報告かもしれません。

今回は、対策法も含めてお酒との上手な付き合い方を考えていきましょう。

 

一人飲みは、アルコール依存にはまりやすい

仲間と飲むのもいいけれど、誰にも気をつかわずに、家で一人飲みするのが好き、

いう晩酌派の女子も多いことでしょう。

でも、毎日一人飲みしているという人は注意が必要です。

一人飲みはアルコール依存症になるリスクが高いことが指摘されているからです。

毎晩飲むことが習慣化していくと、しだいに酒量が増え、

加えてお酒に耐性ができてアルコール度数の高いお酒を飲むようになる傾向があるといいます。

一人飲みの場合は人目を気にすることもなく、

気持ちのおもむくまま飲めますから、酒量がどんどん増えて、

やがて歯止めが効かなくなってしまうといいます。

 

女性のアルコール依存症の患者ピークは30代

多くの女性は、

「アルコール依存症なんて、おじさんがなる病気では? 自分とはまったく別の問題」

と考えがちです。

けれども、それは間違いです。

前回のコラムでもお話しましたが、男性に比べて、

女性はアルコール依存症になりやすく、同じお酒の量を飲んでいても、

女性は男性の約半分の期間でアルコール依存症になるといわれています。

しかも、最近は若い女性の依存症の増加が顕著で、

患者年代のピークはなんと30代だといいます。

アルコール依存症は決して「人ごと」ではなく、

「今、そこにある危機」なのかもしれません。

 

「お酒の適量」ってどのくらい?

そこで、気になるのがよくいわれる「お酒の適量」のこと。

アルコール依存症に移行しないための「適量」とは

どのくらいの量をさすのでしょう。

厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」は、

「1日平均純アルコールにして約20g程度の飲酒」としています。

 

ちなみに純アルコール20gとは、以下の通り。

・ビール(アルコール度数5%)……中瓶1本(500ml)

・日本酒(アルコール度数15%)……1合(180ml)

・ウイスキー・ブランデー(アルコール度数43%)……ダブル1杯(60ml)

・ワイン(アルコール度数12%)……1杯(120ml)

・焼酎(アルコール度数35%)……1合(180ml)

・缶チュウハイ(アルコール度数7%)……350ml1缶

 

酒好きの女性からは「え~、この量って、ほろ酔い加減くらいじゃないの?」

などという声が聞こえてきそうです。

しかも、さらに、「アルコールの代謝能力が低い女性や高齢者は、この適量より少なめがよい」

とされているのですから、もう、思いきり、気を引き締めたほうがよさそうです。

 

アルコール依存と脳の萎縮

アルコール依存症はうつ病を合併することも多く、

またアルコール依存症や多量に飲酒する人は脳の萎縮が高い割合でみられ、

認知症との関係も指摘されています。

いったんアルコール依存症にかかると、

生涯断酒を続けることが唯一の回復方法だとされています。

お酒好きの人なら、なおさら、そうなる前に「アルコールは適量でやめる」こと

――それが、お酒と上手に長く付き合うためのポイントといえるでしょう。

 

お酒の飲み方を見直して、しっかりコントロールを!

アルコールと上手に付き合うためには、適正な飲酒量を、一人酒をなるべく避ける以外にも、

・週に2日は休肝日をつくる。

・寝酒をしない。

・たまに飲んでも大酒はしない。

などを心がけることが大事だといわれています。

飲酒をコントロールできなくなるのが、アルコール依存症だといいます。

お酒の飲み方をしっかりコントロールして、依存症への道を断ち切りましょう。

 

 

<参考URL>

*「飲酒のガイドライン」(e-ヘルスネット)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html

 

*「女性の飲酒と健康」(e-ヘルスネット)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-04-003.html

 

*「アルコール 現状と目標」(健康日本21)

http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/kakuron/5_alcohol/genjyou.html

 

*「一人酒はアルコール依存症の要注意サイン」(時事メディカル)

https://medical.jiji.com/topics/427?page=1

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。