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帯状疱疹

帯状疱疹は痛みとともに小さな水ぶくれができる病気。以前は高齢者がかかる病気といわれていましたが、最近では20~30代の若い世代にも増加中。今回は意外と身近な帯状疱疹についてお話します。

「犯人」は、多くの人がもっている「水ぼうそうウイルス」

帯状疱疹は、ウイルスによって起こる病気ですが、人からうつされる病気ではありません。犯人は、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘・すいとう)のウイルス(水痘帯状疱疹ウイルスといいます)。この水ぼうそうを起こしたウイルスは、病気が治ったあとも、脊髄から左右に出ている知覚神経に潜み、何かのきっかけで活性化して「帯状疱疹」という病気を発症させます。
きっかけとなるのは、免疫力の低下。たとえば疲れや睡眠不足、病気などで体の抵抗力が落ちているときに発症しやすくなります。
現代人は総じて疲れていますが、仕事、仕事でストレスフルな毎日を送っている人は要注意です! また、薄着で体を冷やしたり、十分な栄養が摂れていないときも体の免疫力が落ちるので注意しましょう。

チクチクするような痛みと、赤い発疹。顔や体の片側にできるのが特徴

帯状疱疹は、多くは最初、ピリピリ・チクチクする痛みから始まります。やがて赤い虫さされのような発疹ができてそれが小さな水疱(水ぶくれ)となります。一般に水疱は帯状に広がっていきますが、必ずしも帯状に広がらないこともあります。
通常、水疱は神経に沿って体の片側に広がります。よくできるのは、胸から背中、おなかなどの体幹部ですが、顔や手足にできることもあります。
水疱は、やがてかさぶたとなって治ります。赤い発疹ができて治るまでに平均で19日程度かかります。

悪化させないためには、変だな、と思ったら早めに受診を。

帯状疱疹は、医師の指示に従ってきちんと治療することがとても大切。無理をすると、悪化して深くなった疱疹が跡になって残ったり、痛みが残ってしまうこともあるからです。
また抗ウイルス薬は、早く飲んだほうが速く効きます。症状が出たら、できるだけ早い時期に皮膚科や内科などを受診しましょう。
最初は虫さされと間違えたり、湿布にかぶれたと思うことが多いようですが、水疱ができたら帯状疱疹、この病気を疑って受診をしてください。

患部はあたため、ゆっくり休養を。日焼けに注意

帯状疱疹にかかってしまったら、できるだけ安静にします。睡眠と栄養を十分に摂ることを心がけましょう。
また、患部は冷やすと痛みが残りやすくなります。お風呂に入ったり、カイロで当てたりしてあたためましょう。
水疱が、治っても日焼けをすると跡が残るので、外出時は長袖の服を着たり日傘をさしたりしてガードしてください。

プロフィール

平田 雅子 先生
皮膚科医
平田 雅子 先生

私のクリニック目白 院長 日本大学医学部卒。皮膚科専門医。

東京医科大学、同大学八王子医療センターを経て、2003、10月から現職。
女性専門医療の第一線で活躍中。
女性医療ネットワーク理事。
日本医師会産業医。
女性の悩みをきちんと聞くことを心がけた診療に定評がある。

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